「あのね、確かにぼくはキミが好きだけど、だからと言ってキミの言うこと全てを無条件に肯定するようなことはしないよ?」
日頃進藤に甘い自覚があったぼくは、その日進藤がおれ様話を始めた時に自戒の意味もこめて言った。
「ぼくがいつでもキミの味方だと思ったら大間違いだよ」
少し厳しすぎただろうかと内心心配だったのだけれど、進藤はきょとんとした顔になった後、至極真面目にぼくに言ったのだった。
「そんなん言われなくても解ってる」 「そうか、それなら良かった」 「そもそも、おれの周りでおれに一番厳しいのっておまえだし」
一番情けも容赦も無いのがおまえだと進藤に言われ、その自覚は無かったぼくは、しばらくの間立ち直ることが出来ませんでした。
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