SS‐DIARY

2014年10月08日(水) (SS)という夢を見たと言ったら怒られた


逃げろよと言われた。

そこはどこか知らない街で、ぼく達二人は何者かに追われている。

否、ぼく達だけでは無く、全ての人間が必死で何者からか逃げていた。


捕まれば喰われる。

または踏みにじって殺される。

元の姿がわからないくらい爪で細かく引き裂かれた死体も見た。

なので逃げていたわけだけれど、途中で進藤が足を怪我した。

ぼくを庇って負った傷で、最初はそれほど非道くは見えなかったけれど、すぐにそれがかなりな深手だと解った。


『いいからもう、おまえ先に行けよ』

『嫌だ、どうして自分だけ先に逃げられると思うんだ』

『思っても思わなくてもいいから、とにかく先に行けって、おまえのペース
で行くのおれキツいんだよ』

『だったらもっとゆっくり行くから』

『そーやって、恩着せがましくされるのもムカつくんだって』


絶対に後から追いつくから、とっとと先に安全な場所まで行けよとまっすぐに果てを指さされた。


『嫌だ』


後ろからは追いかけて来る何者かの影が見える。

ああもうあんな近くまで来てしまっているのかと、恐ろしさに足が竦んだけれど、でも心は変わらなかった。


『行けって馬鹿』

『悪いけど…行かない』

『時間がねーんだって!』

『だから行かない』

『塔矢!』

『ごめんね、だって―』


キミを残して行くくらいだったら、ぼくはここで一緒にズタズタに引き裂かれた方がずっとマシなんだよと。

言った瞬間何者かが追いついて、ぼく達の体を鋭い爪が突き抜けた。

自分の人生にこんな終わりが来るとは思いもしなかったけれど。


(それでも)


最期まで一緒で幸せだ。




という夢を見たのだと話した瞬間、ぼくは彼に本気で罵倒されたのだった。

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今日は10月8日、とうやの日ですね。なのにこんな話で申し訳無い。
でも、アキラらしいかなと自分では思ったりします。


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