朝からむっつりと進藤が機嫌が悪い。
「キミ、何が気に入らないのか知らないけど、そんな顔をされるとこっちも不愉快だ」
何で怒っているのか言ってくれないかと尋ねたら、ものすごく長い時間逡巡した後ぼそっと「寝取られた」と言った。
「は? 誰が」 「おまえが夢ん中で他のオトコとヤッてた」 「なんだくだらない。夢なんかのせいでぼくはキミに八つ当たられていたのか」
鬱陶しいからさっさと忘れろと言うのに恨めしそうにぼくを見る。
「そんなこと言うけど、すっげえショックだったんだから! 帰って来て寝室入ったらおまえが知らないオトコとベッドに居てさあ―」
「でもそれは夢だ。現実にはそんなことは絶対に起こらないんだからさっさと忘れて機嫌を直せ」
そうでないならぼくの方が、いい加減キミの態度にキレそうなんだけどと言ってやったらさすがに慌てた。
「わかったよ、わかったってば! もう言わないけど、でもマジで本当にすごえショックだったんだって!」
あれは心の破壊力半端無いよとまだ懲りずにぶつぶつ言っているので軽く足で蹴ってやった。
「まったく―」
そんなシチュエーションならぼくだって夢の中で嫌という程見ているとため息混じりに言ってやったら「え? それどんな?」「相手オトコ? オンナ?」と興味津々尋ねて来るので今度は加減せず本気の蹴りを入れたのだった。
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アキラ的には自分の方がよりヒカルを好きだと思っています。
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