| 2014年02月13日(木) |
(SS)わかっているならやめてやれ |
「なあ、明日何の日だか知ってる?」
知らないはずが無いのを解っていて敢えて塔矢に聞いてみる。
「明日はさ―」
「キミがかれこれもう十年以上、2月に入るや否や毎日のように『くれくれ』としつこく催促して、この忙しい中ぼくに有名店まで足を運ばせ長蛇の列に並ばせた挙げ句、周りに居るのがほぼ100パーセント女性というアウェー感に堪えさせながらまんまとチョコレートをせしめる日だよね」
長文を息継ぎもせず一気に言い切ってじろりと睨む。
そこまで嫌だと思っているのに、それでも毎年おれの願いをきいてくれる塔矢は天使だと思いました。
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