| 2013年04月24日(水) |
(SS)もうすぐ5月 |
手合いが終わって帰る途中、塔矢に一階で呼び止められた。
「進藤、ちょっといいか?」 「何? なんか用事?」 「用事って程では無いんだけど」
そう言って、何やらごそごそカバンの中を探っている。
「渡し忘れていた物があるから」
そしてぽいぽいと四つおれの手の中に小さな包みを乗せる。
「え…と、なんだこれ」 「これが誕生日で、これがクリスマス。それからこっちがバレンタインでこ っちがホワイトデー」
それじゃ確かに渡したよと、そのまま行ってしまうので慌てて襟首を捕まえた。
「ちょ…なんだよこれ!」 「だからキミに渡しそびれていた物だよ」
どうしてこうも飲み込みが悪いのだと言わんばかりのしかめっ面に睨まれて思わず手を離してしまったけれど、肝心な所はそこじゃないと気がついて、おれは再び塔矢の後をダッシュで追いかけたのだった。
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やっと渡せたんですよ…。
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