| 2012年09月06日(木) |
(SS)菓子と甘い物好きの関係 |
うたた寝をしていたら進藤に、黙って貪るようにキスをされた。
「…何をするんだ」
半分眠ったまま文句を言ったら、進藤は悪びれ無い顔で笑って言った。
「別になんにも」
特別なことなんか何もしてないよと、だからおまえは寝ていていいと言われて、とろとろと眠りかけると今度は顎を持ち上げられて囓られるようにキスをされる。
「進藤…」 「いいから寝てろって、気にしなくていいってば」
いいと言われても気になると思いつつ眠気の方が強くて再び眠る。すると今度はうなじから耳にかけて舐め上げるようにして舌を這わされた。
「本当にキミは…」
何をしているんだと問いかけても笑うばかりで答えない。
いいから寝てろ、進藤が言うのはその繰り返しだ。
鼻を囓られ瞼を舐められ、頬に歯形をつけられて、喉には濃い赤い印をつけられた。
「…もういい加減に」 「いいじゃん、もうちょっと」
おまえのことじっくりと味わって食って居る所なんだからと言われて笑ってしまった。
「そうか、じゃあ精々味わって食べてくれ」
例えばもし、本当に彼がぼくのことを欠片も残さず食べてしまったとしても、ぼくはきっと恨むことも無く、ただ幸せな気持ちに満たされていることと思う。
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