| 2012年07月06日(金) |
(SS)ぼくにとってもそうだった |
進藤は時々とんでも無い。
休憩時間にジュースを飲んで休んでいると、少し離れた所で和谷くん達と雑談していた進藤に手招きされた。
「何?」 「いや、今丁度、ファーストキスはいつで相手は誰って聞かれたからさ」
聞き捨てならない言葉に思わず顔が強ばる。
「へえ…キミはいつだったんだ?」
そして誰としたのだと、それでもなんとか平静を装って話に加わったら、いきなりぐいと頭を掴まれて引き寄せられる。
あっと思った時にはもう唇が重なっていて、それから唐突に離された。
ぷはっと音がするくらい勢いよく離してから、進藤はにこっと邪気の無い笑顔で言った。
「おれのファーストキスは今、そんで相手はおまえ」
ごちそーさん♪とあまりにあっけらかんと言われたので、ぼくも周りに居た皆もしばらく何のリアクションも出来ず、ようやく正気に返ってから取りあえずぼくは彼を一発殴ったのだった。
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