| 2011年07月14日(木) |
333333番キリリク��「じゃん拳をまるで子どものようにする二人」 |
「最初はグーで行くぞ」
「いいとも」
そして一瞬睨み合った後、おれが口を開いてじゃんけんを始めた。
「最初はグー、じゃん、けん―」
ぽんで、おれが出したのはチョキで、塔矢はグーだった。
「ぼくの勝ちだね。じゃあやっぱり」
「いや、一回こっきりで勝ちってのは卑怯だろ、最低でも三回勝負にするべきだ」
「男らしく無いなあ」
「真剣勝負に男らしさもクソもあるか、それともおまえ、最初は勝てても次では勝てる自信が無いのか?」
「失礼な、勝てるよ。こんなものは心理戦と同じなんだから」
「言ったな。だったら文句言わずにもう一回やれよ」
「いいよ、それでぼくの勝ちだったら三回はやらないからね」
「いいとも。それじゃ行くぞ、最初はグー、じゃん、けん―」
次に勝ったのはおれで、塔矢は心底悔しそうな顔になった。
「まぐれで勝ったからって調子に乗られては困るね」
「まぐれはおまえだろ。次もおれが勝つよ」
ところが次はあいこで、あいこのあいこのあいこを繰り返した後に、再び塔矢がパーで勝った。
「勝負はついたね。これで文句は無いだろう。ぼくの勝ちだ」
「いや、待てよ。王座戦だって五番勝負じゃんか、最低でも5回までやれ よ」
「キミは…諦めが悪いって言うか卑怯って言うか」
「おれ達は碁打ちなんだから、それに乗っ取ってやるべきだろう」
「ああ言えばこう言う…」
「嫌ならいいんだぜ? 嫌なら」
「嫌だよ」
「あっ、卑怯、卑怯。そういうの言質を取るって言うんだっけ、なんだっ け」
「違うよ。でも嫌ならいいって言ったのはそっちだ」
だから嫌だと繰り返して言う塔矢を必死で宥める。
「そんなこと言うなよ。碁打ちは碁打ちらしく五番勝負にしようぜ? な?」
「もう…仕方無いな」
しつこく食い下がったら大きく溜息をついて塔矢が折れた。
「本当にもう五回以上はやらないからね」
「いいとも!」
結局、なんのかんのと互いが互いに言いがかりをつけて続けられたじゃんけん勝負は、一時間を過ぎた辺りで迷惑だからと物言いがついた。
「君達ねぇ、子どもじゃないんだから」
「だって、こいつが!」
「だって進藤がっ!」
第二回北斗杯予選会場。
前回と同じく勝ち抜いて代表になったおれと塔矢(それと社)にこれまた同じく引率になった倉田さんが言ったのだった。
『今回おれ面倒だから、大将とかそういうのはお前らで決めて』
おれは絶対大将をやりたかったし、塔矢も今回は譲らないというので公平になるようにじゃんけんで決めることにしたのだが―。
決まらない。幾らやっても決まらないのだ。
「とにかく、そういう大事なことをじゃんけんで決めるってこと自体が、まず間違っているから」
きちんと碁で勝負しなさいと、篠田先生に言われて渋々碁盤を出したおれ達は、でもまだじゃんけんの勝負がついていないのが悔しくて、打ちながらグーだパーだとやっていて、今度こそ本気で泣く程厳しく怒られたのだった。
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333333番のキリ番リクエスト、Jeakiさんから頂いたお題�癸魁屬犬磴鷏�をまるで子どものようにする二人」です。
これを読んだ全ての方が思われたように、上か下かを決める戦いにしようかと思いましたが、あんまりかなーと大将決定戦にしました。
でもこっちの方が案外激しい戦いになるかもです。
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