そもそも顔が気にくわない。
いつもへらへら笑っていて、言っていることも軽薄極まりなくて信用ならない。
常識が欠如しているし、礼儀はなっていないし、だらしない。
「なのにそんなキミに好きだなんて言われたって、本気か嘘かわかるわけが無いだろう?」睨み付けるのに睨み返す。 「それでも好きなんだから仕方無いじゃん」
おまえのこと好き。本当の本気で好き。おまえがおれのこと嫌いでも、好かれて迷惑だと思っても構わないと思っちゃうくらい好きと。
「そういう強引で自分勝手な所も嫌いだ」 「――うん」
でもやっぱり好きだから、それだけは解ってと抱きしめられて力が抜ける。
「…嘘だよ」 「え?」 「本当はそんなこと一つも思って無い」
全部逆だよ、キミのことが大好きだと、観念して告白したら何故か進藤は黙り込んで、随分時間が経ってから「ありがとう」とぼくに呟くように返したのだった。
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