※以下は「化物語」最終話のパロです。っていうか完璧ほぼそのまんまでパロにもなっていません。それでもいいと言う方だけお読み下さい。
初めてアキラにデートに誘われて舞い上がったヒカルは、何故か夜更けに塔矢パパが運転する車に乗せられ、最強に気まずいドライブに出ることになる。
「どうしたんだ今日は無口だな」 「無口って・・・どういうつもりなんだよ、塔矢!」 「・・・今のはどちらに言ったのかな」 「どっちって・・・」 「お父さんとぼく、どちらに言ったんだ?」 「どっちって―決まってんだろ!」 「お父さん、進藤がお父さんと何か話したいそうですよ」 「わーっ、違う、違うっ。アキラ!塔矢アキラさんっっ!(ぜいぜい)・・・一体なんなんだよこれは」 「何ってデートをしているんじゃないか」 「って、フザケルなよ、これのどこがっ!」
ミラーに映る塔矢パパの顔に沈黙するヒカル。
「本当に今日は無口なんだな。仕方無い、それじゃぼくがキミに質問するから答えてくれ」 「………」 「ぼくのことを好きか?」 「そっ、そんなこと(ミラーの父の顔を見て)……好きです」 「そうか、それじゃぼくのどんな所が好きなんだ?」 「もう、どういうプレイだよこれっ(涙)全部好き、好きだよっ(←やけくそ)」 「そうか」 「じゃあおれも聞くぞ、おまえはおれのことが好きなのか?(反撃しているつもり)」 「ぼくがゴミ…じゃ無かった、キミのことを好きかって? 好きだよ」 「じゃ…じゃあおれのどんな所が好きなんだよ言ってみろよ(更に反撃しているつもり)」 「優しくていつもぼくの側に居てくれて、ぼくが困っている時にはすぐに助けてくれる騎士のような所」 「…ごめんなさい、おれが悪かったのでもう勘弁してください」
深夜、どこぞと知れぬ人気の無い駐車場に止まった車。
「それじゃ進藤、ぼくは準備をして来るからその間、お父さんと積もる話でもしていてくれ」 「ああ…って、えええええええっ?」
重い沈黙の車内。やがて唐突に塔矢父が口を開く。
「進藤くん…だったね」 「はっ、はいっ」 「息子をよろしく頼みます」 「は?えっ?いや、おれは、別にっそんなつもりじゃっ」 「私は仕事にかまけてずっとあの子を放りっぱなしにしていた。でもそれでもあの子は素直な良い子に育ってくれた。そんなあの子が連れて来たのだからキミは信頼出来る男なんだろう」 「そんな…おれは…たまたまあいつの側に居ただけで……」 「居て欲しい時に居る、それが一番大切なことだ。私はあの子が一番居て欲しいと願っている時に側に居てやれなかった。でもキミは違う。あの子が居て欲しいと願った時に側に居たんだ」 「塔矢先生…」 「息子を頼むよ」 「……はい」
やがて戻って来たアキラに連れられてヒカルは山の奥深くに連れて行かれる。
「さあ、もう顔を上げてもいいぞ」 「………わぁっ」
そこは満点の星空が広がる山の緩やかな斜面だった。
「綺麗だなあ、こんなすげえ星空っておれ見たこと無いかも」 「昔、子どもの頃にお母さんとお父さんと一緒にこうやって星を見に来たんだ」 「そうか、おまえの思い出の場所なんだ」 「これがぼくがキミにあげられる最後のものだ」 「え?」 「キミと話すこと、キミと打つこと、そしてこの星空だけがぼくがキミにあげられる全てだ。ぼくは…他に何も持っていないから」 「塔矢…」 「後、ぼくの肉体…という物もあるが」 「って!(狼狽)」 「キミもあの下衆どものようにぼくに触れたいと願うんだろうか?でもまだしばらくは無理だと思う。努力はするが、たぶんまだ…」 「いいよ、そんなの、別におれ、こうしておまえと居られればシアワセだし!」
緩やかに流れる沈黙。
「…進藤」 「ん?」 「ぼくを好きか?」 「ああ。好きだ」 「ぼくのどんな所が好きなんだ?」 「全部。おまえの全部を好きだよ」 「……」 「おまえは? おまえはおれのことを好きか?」 「大好きだよ」 「どんな所が好き?」 「優しくて、いつも側に居てくれて、ぼくが困っている時にはすぐに助けてくれる騎士のような所」 「………ありがとう」
黙って星空を眺め続ける二人。
「進藤」 「ん?」 「あの下衆どもはぼくの体にしか興味が無かったのか、キスはしなかった」 「……」 「だから進藤、キスをするとしたら―(考え込み)」 「キスをすれば―(言いあぐね)」 「キスをするのは……(言い回しに悩み)」 「(決)キスをしよう!進藤」 「……うん」
『そしておれ達は降るような星空の下で初めてキスをした。それがおれ達が友達から恋人になった始まりだった』
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読んで楽しかった方が居たのか甚だわかりませんが、私は楽しかったです。←おい。
化物語、ちゃんと見て無かったんですが、最終話だけちゃんと見ました。そしてあーこれヒカアキだなあと思ったので書いてみました。
本当にそのまんまなのでお見せするようなものでは無いのですが…。すみません(^^;
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