| 2007年01月09日(火) |
(SS)フロイト的にはどうなんだろう。 |
進藤が、雑誌に載っていた夢占いをやってくれると言うので、気がすすまなかったけれど見た夢を話した。
「えーと…それは、へー……」
開いたページを見つめながら感心したように頷いているので気になって促したらにやっと笑ってこう言われた。
「その夢は、ストレスが溜まっていたり、欲求不満を現してたりするんだってさ」
進藤は欲求不満に力を込めて言ったのでぼくの頬は赤く染まった。
「それは…この頃忙しいから」 「そーそー、忙しくてずっとヤッて無いから」 「違う!」
だったらここしばらくの夢の解釈もしてみようぜと言われて、数日分の夢を話した。
「えーと?一昨日の夢は…………………わあ、Hな欲求が高まっていますだって」 「違っ……」 「それでもって、その前の日は…………へー……恋人が居る人は一つになりたいという欲求が大きくなって居る証拠……へー…」
その前は、その前の前はと悲しくなる程、ぼくの見た夢はどの夢も「欲求不満」「性的な欲求が高まっている」という解釈で聞く度にぼくの顔は赤くなった。
「…おまえ淡白そうで意外に溜まってんだな」
ぱたんと雑誌を閉じて可笑しそうに笑われて、ぼくは思わず怒鳴ってしまった。
「違う!」 「でもおまえがいくら違うって言ってもさ、無意識のおまえはそういう欲求があるみたいだし」
ついでに言えば今日はこれから予定も無く、明日も二人とも予定が無い。 これはヤッた方がいいんじゃないでしょうかとしたり顔で言われて、ぼくは言い返すことが出来なかった。
「ほら、おまえのココもヤリたいって言ってるし」
ぽんと前を叩かれて反応してしまう。
「な? こっちのおまえのがずっと素直だって」 「違……」
でも実際嫌になるほど素直に体は反応してしまったし、実際ずっとそういうことを出来ないでも居たし、本当にぼくは欲求不満になっているのかもしれないと、彼に促されるまま、もつれるようにその場でぼくは抱かれてしまった。
…………………………………が。
翌朝、清々しい夢を見て目覚めたぼくはその夢の解釈も知りたくなって雑誌を拾い、中を読んだ瞬間、彼にハメられたことに気がついたのでした。
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つまり嘘の解釈ばかり伝えていたと。普通なら気がつきそうなものですが、アキラは変に素直なのでそれを鵜呑みに信じてしまったのでしょう。
策士の勝ちということで。
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