SS‐DIARY

2004年09月27日(月) (SS)小さな幸せ

愛情に言葉を惜しまない彼と違ってぼくは気持ちを素直に言えない。


なあ、たまには好きって言ってみろよと、冗談半分、本気半分言われても憎まれ口しか返せない。


「冗談じゃない」
「本気で言っているのか?」
「ぼくに勝ったら言ってあげるよ」


我ながら、よく捨てられないものだとそう思う。

もしぼくが彼だったらこんな恋人は絶対嫌だ。



会話も上手く無いし、笑顔でも無いし、優しい言葉をかけるでもない。
せめて好意を素直に表せたら少しはましだと思うのに、それすらも出来ないのだから呆れてしまう。


「あーっ、もうおまえつまんないの」


おれマジで浮気しちゃうぞと、本当に拗ねた時には言われてしまい、全身凍ったようになりながらも「好きにすればいい」と突っぱねてしまう。


一人になってから、彼に捨てられる所を想像して、泣いてしまったりもするのに、本当にバカだと自分を思う。



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しょうこ [HOMEPAGE]