SS‐DIARY

2004年09月11日(土) (SS)夢合

許される夢を見て、微笑みながら目を覚ました。

これからはまたずっと一緒ですよと。
また、たくさん打ちましょうねと、言われて嬉しくて、抱きついてしまった。

うん、打とうぜ。
おれ、ずっとおまえに会いたかった。

会いたくて、会いたくてたまらなかったと、寝ぼけ眼で起きあがった時、手が温かいものに触れてぎょっとした。

「さ…」

振り向くと、そこには気持ち良さそうに眠っている整った横顔があり、その瞬間、正気に返った。


「あ…」

夢だったのだと、今まで会っていたそれは、夢の中の出来事だったのだとそう悟る。

「そっか…そうだよな」

暗い室内、時計の針の音だけが虚ろに響いて、なんだかたまらない気持ちになった。

「なんで…おれ…今頃…」


こんな夢を見たんだろうと、罪悪感に苛まれながらそう思う。

傍らで眠る最愛の人。

その顔を見る事に喜び以外を感じることなど無かったのに、今、夢で見た相手では無かったことに深く、深く失望した。








「…ごめん」

夢で見た佐為に謝り

「ごめん」

傍らで眠る塔矢に謝る。


二人ともおれの大事な人で、なのに今、おれは二人共を裏切ったような、そんな気持ちになったから。

「ごめんなさい」


何年たっても忘れることが出来ない。

生々しい傷を抱えたままの、おれはまだ子どもなのだと。

そう思ったら涙が止らず、泣けて泣けて仕方無かった。



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ヒカ佐為というわけで無く、佐為ヒカというわけでもなく、三角関係でもありませんので〜。←じゃあなんだ。


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