許される夢を見て、微笑みながら目を覚ました。
これからはまたずっと一緒ですよと。 また、たくさん打ちましょうねと、言われて嬉しくて、抱きついてしまった。
うん、打とうぜ。 おれ、ずっとおまえに会いたかった。
会いたくて、会いたくてたまらなかったと、寝ぼけ眼で起きあがった時、手が温かいものに触れてぎょっとした。
「さ…」
振り向くと、そこには気持ち良さそうに眠っている整った横顔があり、その瞬間、正気に返った。
「あ…」
夢だったのだと、今まで会っていたそれは、夢の中の出来事だったのだとそう悟る。
「そっか…そうだよな」
暗い室内、時計の針の音だけが虚ろに響いて、なんだかたまらない気持ちになった。
「なんで…おれ…今頃…」
こんな夢を見たんだろうと、罪悪感に苛まれながらそう思う。
傍らで眠る最愛の人。
その顔を見る事に喜び以外を感じることなど無かったのに、今、夢で見た相手では無かったことに深く、深く失望した。
「…ごめん」
夢で見た佐為に謝り
「ごめん」
傍らで眠る塔矢に謝る。
二人ともおれの大事な人で、なのに今、おれは二人共を裏切ったような、そんな気持ちになったから。
「ごめんなさい」
何年たっても忘れることが出来ない。
生々しい傷を抱えたままの、おれはまだ子どもなのだと。
そう思ったら涙が止らず、泣けて泣けて仕方無かった。
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ヒカ佐為というわけで無く、佐為ヒカというわけでもなく、三角関係でもありませんので〜。←じゃあなんだ。
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