| 2004年09月01日(水) |
おれたちはまたトリビアを見ていたわけで |
「なに?」
何気なし、テレビを見ていてついふうんと言ったら進藤がすかさず聞いてきた。
「ん、いや、結婚に際して重要なことは愛かお金かってのをやっていて―」 「んなの」
ぼくが言いかけた言葉にちょっときょとんとしたような顔をして、それから進藤は即座に言った。
「愛に決まってんじゃん」
そしてにっこりと笑うと身を乗り出して、ちゅっとぼくにキスをした。
「なあ?」
ぼくは…ぼくは…。
「おまえもそう思うだろ?」
「…うん」
顔も耳も首筋も真っ赤にそまる。
「うん…ぼくもそう思うよ」と、恥ずかしさで死にそうになりながら、ぼくはうつむいて小さな声で答えたのだった。
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ヒカルは間違いなく即答だろうなとテレビを見ていて思いました。それでもってアキラはというと、心でそう思っていてもヒカルのようにはっきりと口には出せないわけです。
やっぱお金も少しは必要だしと余計なことを考えてしまう自分に比べてなんてヒカルは迷いが無いんだろうと、自分も即答出来なかったことを恥じていたりするわけです。
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