じゃんけんで負けて、進藤の「奴隷」になった。
奴隷と言っても一体何をするものかよくわからないので、「何をしましょうかご主人様」と聞いてみたら進藤は何故か真っ赤になってしまったのだった。
「ん?負けたんだから何でもきくよ?」 「あ…えーと」
自分でもちかけておきながら、なんだ何も考えていなかったのかとおかしくなる。
「早碁でもしましょうか?ご主人様」
徹碁でも、目隠し碁でも一色碁でもなんでもしますよと言ったら「おまえ、それ碁ばっかしじゃん」と閉口したように言う。
「だってキミが何も言わないからいけないんだ」 「んなの…今まで奴隷なんて持ったことないし」
当たり前だそんなもの持っていたのだったらキミとは絶交だと言ったらひどく慌てられてしまった。
「何もご命令が無いのでしたら、奴隷は廃業させていただきたいのですが、ご主人様」 「えー?だってガキのバシリじゃないんだから、おまえにアイス買いにいけとか言えないじゃん」 「マッサージでもなんでもしますよご主人様」
ご主人様とつけると進藤が微妙に顔の赤さを増していくので、それがおかしくてつい連呼してしまう。
「なんでも、ご主人様のお望みのままに」 「えーと…えーと、じゃあ、じゃあ…跪いて足の指を嘗めろ!」
さんざん考えた割にはつまらない命令だなと思いつつ、屈み込み足に唇を押しつけると、途端に進藤は今まで聞いたことが無いような悲鳴をあげて飛び退ったのだった。
「う、わぁああああああああ、なにすんだおまえ」 「なにって、キミがしろって言ったんじゃないか」 「言ってねぇ! いや、言ったけどおまえがそんなことするなんて思わなかったから」
汚いじゃんか、信じられない、どうしてこんなことをするんだと、まくしたてるように責められてなんだか随分非道い扱いを受けているような気分になった。
「なんでこんなに言われなくちゃいけないんだ?」 「だから、おまえは誰に言われてもこんなことしちゃいけないのっ!」
足なんかと…じゃあ足じゃなければいいのかと、ズボンに手をかけたら今度は本気で叱られてしまった。
「もう、もう、もう、もう、おまえ奴隷禁止!もう二度と誰の奴隷にもなっちゃ駄目」
ってそもそもキミが持ちかけたことであり、そもそも今まで誰の奴隷にもなったことは無いのだと思いながら、でも何を言っても聞いてもらえなさそうなのでそれは黙っておく。
「おまえって時々なんか、すこーんと抜けてるって言うか突き抜けてるって言うか、わかんない反応することあるよなぁ」 「キミの反応の方がぼくにはよくわからないよ」
キミ以外だったらきかない。キミの言うことだからきいたのだと言ったら、進藤は大丈夫だろうかと思うくらい真っ赤になってしまった。
「あ…そ、…そ、…そうですか」
アリガトウコザイマスと、でも何故かその後はずっと、彼の方がぼくの奴隷のようになってしまったのだった。
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すみませんくだらなくて、ご主人様その後です。 本当はエロい話にしようと思ったのですが、それだとあまりにもあまりだったのでただのバカっぷる話にしてみました。
普通に考えた時、アキラに足の指を嘗めろなどと言えば瞬殺な気がしますが、深い関係になってしまったら、結構ふざけたりするんじゃないかなと思ったりします。
この場合、ぴーを嘗めろと言った方がたぶんアウトなんでしょう。 足の指か、なんだ進藤のことだからもっとすごいこと要求してくると思ったのに意外だったなくらいのものだと思います。
たぶん風呂に入った後だしこれ。
アキラさんはどんな時でも冷静にそんなことまでちゃんと考えているような気がします>風呂
だから大丈夫だよヒカル(笑)
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