男の体を見て「したい」と思うなんて夢にも思わなかった。
でも、あいつの体を見た時、例え服を着ていても布を通したその下の肌におれは素直に欲情する。
触れたい
嘗めたい
くわえたい
あからさま過ぎて自分で恥ずかしくなるほどに、欲求はストレートで、あいつの体の隅から隅までを知りたくて気が狂いそうになったくらいだ。
はじめてあいつがおれの手の中で達した時、おれは感動して涙が出そうになった。
仰け反る背の弓なりなラインも
肌一面に浮かんだ玉のような汗も
あられもなくあげられた声も
そのどれもが愛しくて愛しくてたまらなくて
そんなキレイなものが自分の腕の中にあることが驚きで、とてつもなく嬉しかった。
「挿れて…いい?」
それでも、それだけではまだ全然足りなくて、入ってもいいかと聞いたら、あいつは少しこわばった顔で首を横に振った。
「全部…欲しいから…駄目?」
まだ怖い、そこまでまだ気持ちの準備が出来ていないというから、じゃあ指だけ入れさせてと言った。
「…」
あいつは泣きそうな顔で真っ赤になって、でも今度は駄目とは言わなかった。
「少しだけ…なら」
それならいいよと恥ずかしさを堪えながら言う顔がまた愛しい。
ローションで指を濡らし、そっと触れる。
まだ入っていもいないのに、触れただけでびくりと体全体が緊張して、ああ、かわいそうにと思う。
でもおれはやめてなんかあげないから、だからごめんと心の中だけでつぶやく。
「…っ」
熱くすぼまるその中に指を入れた瞬間に、あいつは大きくため息をついた。
「痛い?」 「わから…ない」
ああ、でもと、見ている目の前で切なく眉が寄せられる。
「わからないけど…でも」
あいつの中はひたすら熱く、入れた先から吸い込まれるようにして気がつけばすっぽりと指の根元までを入れてしまっていた。
「塔矢?」 「あ…う…」
きゅっと締め付けられたと思った瞬間に、うなだれていたあいつのものがはっきりと勃ち上がった。
「…あっ」
入れたおれの指とダイレクトでつながっているような勃ちように、こうして感じるのだと、ひどく、ひどく感動した。
「気持ちいいんだ?」
聞いても首を横に振るばかりで何も言わない。 でも俯いている白い背が、ぱっと湯につかったかのように桜色に染まったので快感を得ていることは確かだった。
「あ…だめ」
少し動かすと、それがそのままモノの硬直につながる。
あいつの中はどんどん狭く、どんどん熱くなっていくのでおれは嬉しい反面怖いような気持ちだった。
「塔矢、塔矢、言ってよ、気持ちいいの?」 「知らな…」
でもそう言いかけたその目に、涙がこぼれそうなくらい溢れて、あいつはとうとう我慢できなくなったらしく、そういう声をあげた。
もうだめ
イク
気持ち―イイ
驚くほど露骨な言葉を荒い息の合間に吐いて、そしてあっと言う間に達してしまった。
ついさっき、おれの手の中でイッたばかりだとは思えないほどの量を溢れさせて。
中に入れていた指は、その瞬間、ぎゅっとちぎれるのではないかと思うほど締め付けられて、おれもそのままあいつの腹にこすりつけるようにしてイッてしまった。
「ん…すごっ」
お互いの顔にまで飛んだ飛沫を拭い、また拭ってやりながら、ちゅと優しくキスをする。
抜いた指にはまだ中の熱さが残っていて、それが痺れるくらいに幸せだった。
これがSEX
きれいごとではなく。
おれとあいつは一つになった。
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これは間違いなくもうすぐ裏行きデス(^^;
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