「あ…」
耐えに耐えに耐え、反らしきった背は 熱が溢れた瞬間に糸が切れたように力を失った。
あっ
あっ
ああっと
くずおれた体は畳の上で何度も細かく震えた。
頼りなく空を掴みかけた指はそのまま投げ出され、脱ぎ捨てた服を無意識に強く掴んでいた。
こぼれ落ちた涙の後、ようやくはっきりとした視界に白い天井が見える。
体中をしっとりと包む汗。
まだ息は荒く、吸い込むことさえ苦しい。
終わった後、身動きすらできない消耗の、でもこの幸福感はなんだろうと思う。
「塔矢?」
下の方、やはり倒れたように畳の上に伏せていた進藤が、起きあがると這うようにやってきて、ぼくの体を引き寄せた。
「大丈夫?」 「…うん」
そろそろと覗き込んでくる彼の顔がとても好きで、ああ愛しているといつも思う。
愛してる
愛してる
愛してる。
体を重ねるということが、こんなに幸せなことだとは知らなかった。
まだぼんやりとした頭。
指一本も動かせないような疲労感の中で、でも幸せにはち切れそうになりながら、ぼくは進藤の首に腕を回した。
「大好き」 「おれも―」
囁いてしがみつくと、進藤も嬉しそうに笑って、それからぼくを強く抱きしめた。
大好き
大好き
大好きと、言って甘く耳を噛む。
その感覚に思いがけず肌が震え、終わったはずの行為が、また始まりに戻ったことを知る。
「おまえって…えっち」
くすくすと笑いながら、でも彼もまたぼくにしっかりと反応していて、二人で顔を見合わせて笑いあった。
たまらないほど淫ら。
理性のカケラも無く。
でも幸せで幸せでたまらなくて、ぼくは自ら腰を引くと、再び彼を深く招き入れたのだった。
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リクエストがありましたので、そういう日もあるその後です。
翌日、なんとなーく様子が変なアキラをしつこく問いただしたヒカルは、年に一度あるか無いかの日を逃したことを知って七転八倒するのでした。
「あーっ、もう、なんでそんな大事なこと言わねーんだよ、おまえっ」 「だってキミ…もう蟹を茹ではじめていたし…」 「蟹なんざどーでもいーんだよどーでも」
風呂にまで入って待っててくれたのに、ああああっ、おれのばかばかばかばかばかばかっ!
ということで、その分も含めてアキラはたくさん激しくしてもらえたのでした(^^;
いや、すみません下品で。
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