| 2004年06月21日(月) |
(SS)愛しさと切なさと心強さと(1) |
ぼくは狡い人間で
彼を好きだと思いながら一言も言うことはしなかった。
自分のいる場所、自分のいる位置
何一つ失いたくはなくて
彼がぼくを好きだと言ってくれた時にも
決して自分からは彼を好きだとは言わなかった。
言ってしまったら全てが終わると思っていたから。
キミが好きです。
キミが誰よりも好きです。
言えた時、初めて本当にキミを好きになったのだとそう思った。
ぼくはぼくよりもキミのことが好きで
ぼくはキミ以外の誰もいらない。
キミがいてくれたらもうそれだけでいいのだと
そう気が付いた時ぼくは、声をあげて泣いた。
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