エンターテイメント日誌

2006年05月13日(土) From Stage to Screen 〜 RENT

舞台版RENTを観劇した感想は2004.2.22の日誌No Day But Today ミュージカルRENTに書いているので←クリックしてみて欲しい。その時点での映画化の進行状況についても触れている。

結局ミラマックスはRENTを持て余し、映画化権を売りに出した。そこで飛びついたのがクリス・コロンバスである。コロンバスは1996年に初演されたオリジナル・キャストによる舞台を観ており、長年映画化を夢見ていたそうだ。だから結局「プロデューサーズ」同様、オリジナル・キャスト総出演による映画版が完成した。

筆者には懸念がいくつかあった。まず第一にコロンバスは「グーニーズ(脚本)」「ホーム・アローン」「ミセス・ダウト」「ハリー・ポッター」とお子様向けの映画ばかりを撮ってきた監督であり、この切実な青春映画を撮る能力が果たしてあるのか?ということ。第二に初演から10年経過して老けたオリジナル・キャストが演じて違和感がないのかという点である。

結論を言おう。それは全くの杞憂だった。コロンバスは舞台の精神を損なうことなく、作者のジョナサン・ラーソンに最大の敬意を払いつつ、同時に見事に映画的処理を行い傑作に仕上げた。特に冒頭、ニューヨークのイースト・ヴィレッジに燃え上がる紙が無数に舞う場面には強烈な印象を受けたし、ライフ・サポートの参加者たちが日を追うごとに椅子 から姿を消していく演出も素晴らしかった。コロンバス、疑って悪かった。ゴメン。

出演者についてはマークを演じるアンソニー・ラップの若作りのメイクが些か苦しかったが、そのほかの出演者については全く違和感なかった。それよりも全員の歌唱力の凄さ、そのパワフルなパフォーマンスに完全にノック・ダウンだ。改めてオリジナル・キャストって偉大だと痛感した。

筆者の評価はB+。必見。


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雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]