エンターテイメント日誌

2003年03月24日(月) 宴(オスカー・ナイト)のあと

(是非前回の日誌での授賞予想と併せてお読み下さい。)

さて、緊迫する情勢の中オスカー・ナイトは無事に幕を閉じた。アメリカは映画の国である。アメリカの独善的帝国主義は今にはじまったことではないが、映画の祭典の直前になんの必然性もなく戦争を始めて水を差したブッシュ政権には大いに憤りを感じる。4,5日待って授賞式後にイラクを侵略しても結果としては何も変わらないだろうに。映画に対してもっと敬意を払ってよ、Mr. President!

それにしても前回の日誌で「ボーリング・フォー・コロンバイン」のマイケル・ムーア監督が壇上に立ったらその発言に注目と書いたが、いやはやとんでもないことをやってくれました。まさかブッシュ大統領に対してShame on you!(恥を知れ)とまで過激な発言をするとは想像以上だった。もう大爆笑。会場からのブーイングも激しかったなぁ。しかし、ムーアが今後、狂信的な「愛国者」たちの銃弾に倒れないように心から祈る。ブッシュだけではなく全米ライフル協会会長のチャールストン・ヘストンも怒り狂っていることだろうから。痛快だっただけに一寸心配だ。

一方今年のワースト・スピーチは文句なしに主演男優賞のエイドリアン・ブロディに決定!とにかく長い、くどい。内容に知性がない。スピーチというものはは己の信念をただ主張をすればいいというものではない。マイケル・ムーアみたいにウィットと巧みな話術が不可欠だということを学ぶべきだろう。…あ、もう手遅れか。

今年の筆者の予想で的中したのが本命のみで作品賞、助演女優賞、脚本賞、撮影賞、編集賞、衣装デザイン賞、編集賞、メイク・アップ賞、長編ドキュメンタリー賞、短編ドキュメンタリー賞、長編アニメーション賞、短編アニメーション賞、外国語映画賞、音響編集賞、視覚効果賞の15部門であった。これに対抗馬を加えると19部門になる。6部門を授賞した「シカゴ」の授賞予想は7±1としていたのでこれもなんとか範疇に収まったのだが、何といっても予想外だったのが筆者の忌み嫌う「戦場のピアニスト」が3部門も授賞したということだろう。これで愉しいお祭り気分がすっかり萎えてしまった。何でポランスキーなんだ!?

二コール・キッドマンが授賞したことは素直に悦びたい。やはりその息を呑む美貌が授賞式会場でもひときわ輝いていた。ゼルウィガーは今回残念だったけれど、まだ若いんだから幾らでもチャンスはあるよね!

それから助演男優賞を受賞したクリス・クーパー、この人は筆者の大好きな映画「遠い空の向こうに」の炭鉱で働くお父さん役がとても印象に残っている。本当に良かった。予想で本命にしなくてゴメンナサイ。

最後に自慢を一つ。筆者は既に半年前、昨年9/29の日誌に今回のアカデミー賞で長編アニメーション部門は「千と千尋の神隠し」が必ず獲るだろうと予言していた。ついでにアメリカ嫌いの宮崎さんが授賞式に出席しないのでは?という懸念も書いている(結局宮崎さんは授賞後の記者会見も拒否された)。これは日本で、いや、世界で最も早い授賞予想であったろうと自負している。もし、これよりも早く予想を掲載したサイトがあるならば是非御一報頂きたい。

まあ、今年は良く当てたと評価して下さる方がもしいらっしゃるなら、右下の投票ボタンで声援の一票を宜しくお願いします。


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雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]