熱い洋楽コネタコラム

2004年03月05日(金) 安っぽさって

 この間、EZ!TVとサタスマで、相次いでクイーンの特集を見た。なんだかクイーン人気が再燃!すごいぞ!みたいな特集。
 で。それ見てて思ったのは(ああ。なんだかクイーンがすっかり安っぽくなっちまってるなぁ)ってこと。いや。ナンクセつけようと言うんじゃありません。レコード会社のプロモーションに文句言うのでもありません。しかしかように大衆の目や耳に巨大にさらされるということは、全てが白日の元にさらされてしまい、影みたいなものがなくなってしまうのですよね。そう思いません?だから、なんか、申し訳ないが存在がペラペラと紙っぺらみたいに感じられ、安っぽく見えてしまう。
 これは別にクイーンに限ったことじゃない。なんでも、そう。これが例えばもうその芸術が生まれてから100年とか200年という月日を経てきたものなら、どんなに大衆の目にさらされても、月日が培ってきた風格があるので大丈夫。でも誕生してから20年とか30年ぽっちの芸術は、アッという間に安っぽくなる。
 でも安っぽくなったから悪いということも実はない。それはそれで「より身近になった」とも言いかえる事が出来るし、みんなが共通して平均して愛せるものであるとも言える。しかしもし。仮に私がクイーンの大ファンだったら、それはあまり嬉しくはない。そりゃ好きなアーティストが大スターになってくれることは嬉しいけど、それにも程度がある。ほどほどのところで、その人の持つ猥雑さや欠点、コンプレックス、そういうものが表側の顔の裏側にこびりついているのがわかるくらいであってほしい。表と裏。光りと影。それの織り成す魅力が生き生きと輝く程度が望ましい。ま。私なら…なんですが。ほかの人は知らないもんっ。
 
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