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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2006年04月07日(金) --

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『チアガール・ブルース』

原題は『To Die For』。現時点でのリンダ新作。 コメディタッチで、『Mr.パーフェクト』や『パーティーガール』に 共通するトーンの作品。 私にとっては気分が乗らないままエンディングを迎えてしまった。

金髪の元チアリーダーという、絵に描いた見本のような典型的タイプの ブレア・マロリーは、経営するジム「グレイト・バズ」の客が犠牲となった殺人事件に巻き込まれる。 そう、彼女は見かけによらずやり手のキャリアウーマンなのだ。

法的にも個人的にも彼女を守るのは、警察官のワイアット・ブラッズワース。 実は彼とは、二年前に何度かデートして別れた仲だった。 そのときの納得いかない思いが噴出し、ワイアットの好意に素直に応えられないまま、 しつこくブレアを狙ってくる犯人のおかげで二人は接近してゆく。

後半はケガをしたブレアと、彼女を自宅にかくまうワイアットとの、まさに闘い。 犯人そのものよりも、こちらの闘いが細やかに描かれている。

歴史物から現代物、サスペンスからスパイアクションまで 幅の広いジャンル設定がロマンス小説の女王リンダの魅力の一面だが、 どうも私は本作のような軽妙タイプが苦手らしい。 おそらく、だーっと一気読みするエネルギーが持続しないからだろう。

あえて言えば、ワイアットがかつてなぜブレアを遠ざけたのか、 正直に告白する場面はいい感じだ。

そして、ブレアとすれちがっていた妹との関係回復、 ブレアとワイアットそれぞれの、魅力的で個性の強い母たち。

本人たちのロマンスよりも、そのあたりが面白く読めた。 どう考えたって、この二人はうまく行くに決まっているから。 それにつけても、リンダは警官がお気に入りのようだ。 (マーズ)


『チアガール・ブルース』著者:リンダ・ハワード / 訳:加藤洋子 / 出版社:二見文庫2005

2004年04月07日(水) 『リビイが見た木の妖精』
2003年04月07日(月) ☆「おもちゃ文学」としての鉄腕アトム。

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