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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2005年01月12日(水) --

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☆ロマンス小説の力。

時を選んで、良書を積ん読・熟成させる私も、 ロマンス小説は即読(かつ速読)である。 あれこれ読むわけではないけれど、 チャレンジャーであり、たとえロマンス小説といえでも「相対的」な 位置づけを知りたい私は、いろいろ読んでみた。

きっかけは、 ジュード・デヴロー の「時のかなたの恋人」で、 “タイムトリップ・ロマンス”なるジャンルの存在に気づいたこと。 そこから、リンダ・ハワード(「夢のなかの騎士」)を知り、 リンダ・ハワードから、ロマンス小説のおもしろさを知った。 “タイムトリップ・ロマンス”を気がつく限り、網羅しつつ、 有名らしいハーレクイン系の作家の本を選びながら読んだ。

ロマンス小説というのは、玉石混淆で、 すごく面白いものもあれば、どうしようもないものもある。 訳のせいで読みにくいものもあるが、 訳者が変わってみてもやっぱりおもしろくなかったりもする。 ほとんど積ん読はしていないけれど、 どうしてもノーラ・ロバーツだけは、合わなかった。 書評などを読んでいると、ものすごく面白そうなのに、 どうしても読めない。 “タイムトリップ・ロマンス”なのに、 全然読み進まない「時は、やさしく / 未来からきた恋人 2」 (かろうじて「時が、ふたりを / 未来からきた恋人 1」は読了した。) 「愛は時をこえて」もサスペンス色のある“タイムトリップ(系の)・ロマンス”だが、(上)が読み終わらない。 「妖精の丘トリロジー」はアイルランドを舞台とした、ケルトの妖精が絡んでくるファンタジックなロマンス。 その一冊目の「ダイヤモンドは太陽の宝石」は、わりと面白いと思ったのに、残りの二冊が進まない。 どうしてこんなに合わないのか、自分ながら不思議である。

まあ、それはそれとして。 ロマンス小説なら、時を選ばない。 いつでも、気分転換にページをめくれる。 仕事のストレスに潰れそうなとき、 小説の中ぐらいは、予定調和のハッピーエンドにめぐり逢いたい。 少々、ご都合主義でも、肩の凝らない楽しい小説を読みたい。 頭の中を空っぽにして、どんどんと活字を読んでいく。 山あり、谷あり。でも絶対不幸に打ち勝つ。 そういう、気晴らしが必要な時って、ありますよね。

それでも最近は、ロマンス小説であっても、 ただ甘ければいいという、感じではない。 やっぱり、試練が必要。 ロマンスだけを追い求めるヒロインじゃなくて、 ちゃんと、自分の人生を生きているヒロイン。 困難に打ち勝って、求める物を手に入れ、 おまけにハッピーエンディングがついてくる。 そういう物語では、やはり、リンダ・ハワード。 「悲しみにさようなら」は、もっともシリアスな問題が絡んでいた。 自分の力で人生を切り開こうとするヒロインは、 読んでいて、好感が持てる。 たとえ、「あり得ない」設定・状況であっても、 ヒロインの生き方には、リアリティを感じ、共鳴できる。

「沈黙の女を追って」を読んでからは、リンダ以外ではスーザン・ブロックマンが私の中の一押し。 (「沈黙の女を追って」※タイトルは変だと思う。このタイトルのせいで、あまり買おうと思わなかった。原題:The Defiant Hero ) 今は、このトラブルシューター・シリーズの第一作「遠い夏の英雄」 (原題:The Unsung Hero )を読んでいます。 米海軍シールズの登場するロマンスは「あり得ない」が 「あり得ない」ロマンティックがこのシリーズの魅力だろう。 危険を愛する男たちシリーズとして、ハーレクインから最新作「孤独を抱いて眠れ」が出ている。 (ヒーローはみんな、シールズ隊員。でも「沈黙の女を追って」を読んだ後では、ハーレクインはページの薄さの分だけ、読み応えも薄い。)

キャンディス・キャンプ の18世紀〜19世紀頃のイギリスを舞台にしたロマンスも ゴージャスで面白いが、ヒロインが10代で可愛らしい分、 読み応えは少なく、「ああ、面白かった」だけで終わってしまったのが残念。 (…まあ、それでもいいのだけれど。) 「裸足の伯爵夫人」はハーレクイン版「自負と偏見」だと 書かれていたのをどこかで見ましたが、その通りで、 「自負と偏見」を読んでいたら、さらに楽しめるので、おすすめ。 キャンディス・キャンプに限らず、ヒストリカル(?)は、 時代を楽しむという、付加価値を味わえるので、 現実逃避にはもってこいでしょうか? (時代考証にこだわらない人なら。)

好きなのは
・“女王”リンダ・ハワード
 ※加齢と共に、ヒロインにもリアルな人生の襞が。そこが魅力
・スーザン・ブロックマン
 ※マイケル・パレのファンなので、B級映画でもシールズ系のファン
・レベッカ・ウィンターズ
 ※2冊しか読んだことないけれど、良かった。満足度2/2で100%
・ジェイン・アン・クレンツ
 ※都会的でお洒落な感じ(アマンダ・クイック名でヒストリカル作品も)
・キャンディス・キャンプ
 ※陽気でおきゃんなヒロインは読んでいて、楽しい
・ダイアナ・ガバルドン
 ※“タイムトリップ・ロマンス”だが、珍しく、読む時を選んで積ん読中

(シィアル)

2001年01月12日(金) ☆『大菩薩峠』の作者は?

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