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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2001年01月12日(金) --

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☆『大菩薩峠』の作者は?

昨年11月に横浜の大仏次郎(おさらぎ じろう)館に行った。 大仏次郎といっても、名前を知っているくらいで それほどの興味も無かったのだが。 しかし、この大仏次郎館に行ってから、 いろいろな意味で親しみを感じるようになっている。

この時、同行の師に 「大仏次郎って、『大菩薩峠』を書いた人ですよね?」 ときっぱりと尋ねると、師も最初は違うよと言っていたのだが、 だんだんと「何だか、そんな気がしてきたなあ」と曖昧になってくる。 大仏次郎の本は読んだことが無い。 もちろん『大菩薩峠』も読んだことは無い。 しかしそれでも『大菩薩峠』が大作である事は知っている。 だが、その大作が大仏次郎の年譜・作品集の どこを見ても載ってないのである。 私があまりにも確固とした口調で言ってしまっていたのか、 師もその雰囲気につられてしまい「大仏次郎しか思い浮かばないなあ」と、 大仏次郎じゃないような気もするが、 彼以外には作者が思い当たらないというのである。

わからないまま、師と別れ、 宿泊先の友人宅で「『大菩薩峠』を作者は?」と問うと、 友人Iは「大仏次郎でしょ?」と即答。 ・・・。 電話でマーズに同じ事を聞いてみても 「大仏次郎じゃないの?」 その時ランチをご一緒した猫やのお友達Kさんに聞いても 「大仏次郎じゃないですか?」

答えはマーズが調べてくれた。 「大菩薩峠」の作者は中里介山(なかざと かいざん) 私とマーズの付き合いは長いから お互いに誤解を助長しあっていた可能性もあるが、 生まれも育ちも違うIやKさんも同じ勘違いをしていたのが、 おもしろくもあり、不思議でもあった。

その後のマーズの見解では、 菩薩から大仏への無意識の連想じゃないかと。 うーん、そうなんだろうか。 だとすると、 人間というのは結構シンプルな発想で分かりやすいよね。 どうなんでしょうね、Kさん?

追記; 大仏次郎(と特にその妻)は猫好きであったようで、 館内には大仏次郎の遺品である猫の置物がたくさん飾られていた。 売店ではその猫の置物の絵葉書や、 大仏次郎愛用の手あぶり猫のレプリカも売られていた。 大仏次郎館の周辺では ヘミングウエイハウスのように(行った事はないが)、 たくさんの猫達がくつろいでいた。

そんなこんなの理由で、 今は大仏次郎に親しみを感じるようになっている。(シィアル)


中里介山(1883-1944):「大菩薩峠」 出版社:ちくま文庫
大仏次郎(1897-1973):「天皇の世紀」 出版社:朝日新聞社

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