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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2003年09月26日(金) --

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『魔法使いの卵』

『屋根裏部屋のエンジェルさん』の著者による、 魔法の英国ファンタジー。

主人公のスカリー少年は、魔法使いの父と占い師の母を持つ、 魔法使いの卵。来るべき魔法紳士団の試験に合格すれば、 晴れて一人前の魔法使いになれる、つまり今は瀬戸際の受験生。

そんなスカリーに、ある日、お守り(おまもりではなく、おもり)が ついてしまった。モニカという赤毛の女性だ。 モニカは級友たちにとっても興味と関心の的で、皆を教える 役目も果たしている。 モニカが来てからスカリーの周囲がざわめきはじめ、 彼の魔法パワーを奪おうと企む「サソリ団」も登場。 けれど、スカリーは自分が魔法使いの卵だということを、 学校の仲間や先生たちにも秘密にしている。 お父さんだって、市場の時計やさんが仕事のふりをしている。

お守りとなったモニカは何を知っているのか? スカリーは無事に試験を受けられるのだろうか? お父さんが大切に隠している『魔法のしずく』はどうなる?

魔法に関わる話なのと、 本の装丁とイラストが、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの クレストマンシー・シリーズと同じこともあって、 ついつい混同しそうになる。 ヘンドリーらしいのは、魔法使いというものは、 「過去、現在、未来」それぞれにランク分けされていることや、 卵にお守りがつく、という面白さ。

解説によれば、教育改革を進めているイギリスでは、 実際、授業についていけない子に、 外部からお守りが派遣されることがあるという。

後半の命がけ魔法活劇もユーモラスで楽しめるが、 前半、特に何度も描かれるお父さんの職場がある「市場」への スカリーの抱く愛情が、全体のトーンを地に足つかせている。

何でもあって楽しいこの市場、私はロンドンの コヴェント・ガーデンのイメージ。 天井がガラスだから冬はとても寒いけど、 あったかい雰囲気で、ほっとする場所だそうだ。 あの市場には、時計の店も、きっとあるにちがいない。 (マーズ)


『魔法使いの卵』 著者:ダイアナ・ヘンドリー / 絵:佐竹美保 / 訳:田中薫子 / 出版社:徳間書店2001

2002年09月26日(木) 「サン・フェアリー・アン」
2001年09月26日(水) 『星の海のミッキー』
2000年09月26日(火) 『柿の種』

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