HOME*お天気猫や > 夢の図書館本館 > 夢の図書館新館

夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2003年03月20日(木) --

TOP:夢の図書館新館全ての本

「ももいろのきりん」

☆なつかしい、やさしいきりん。

誰しも、子ども時代でなくては味わえない本との
しあわせな出会いをもっているとすれば、「ももいろのきりん」は、
私にとって、あのころ、小学校の図書館で出会い、よく遊んだ
幼なじみのような本である。
同じ著者の「いやいやえん」もまたそうなのだが、
「ぐりとぐら」は、私にとってそういう本ではない。
出版時期のずれもあるのだろうけど、今でもどっちがぐりで、
どっちがぐらだか、わからないくらいだから。

ピンクではなくて、ももいろ。
ももいろのきりんは、大きなももいろの紙でできている。
つくったのは、るるこちゃん。
きりんは、キリカという名前。
ふたりの名前も、忘れていたなぁ。
くたっとしたキリカを洗濯ばさみで乾かすところは、おぼえてる。
数十年ぶりに『自分の本』として手に入れ、読み返してみて
おどろいたのは、るるこちゃんの泣き声。
うおーっ、うおーっ、と大泣きするので、
どうしようかと思ってしまう。

キリカとるるこちゃんが行った、クレヨン山のこと、
クレヨンの木のこと、動物たちのこと。
忘れていたことは、たくさんある。
きっと記憶のどこかの部屋にしまいこまれているのだろう。

るるこちゃんと私の共通点も、今になってわかった。
画用紙を与えておくと、手のかからない子だったのだ。

私はどちらかというと、昔から『きりん』という動物には
思い入れがなくて、動物園に行っても、あぁきりんがいる、
足が細いなぁというぐらいだった。
でも、ももいろのきりんには、弱いのだ。
ももいろの紙だけでできている、やさしくておっとりした、
遅れてきた恐竜みたいな『ももいろのきりん』には。
(マーズ)


「ももいろのきりん」 著者:中川季枝子 / 絵:中川宗弥 / 出版社:福音館書店

2002年03月20日(水) ☆リンダ・ハワード

>> 前の本蔵書一覧 (TOP Page)次の本 <<


ご感想をどうぞ。



Myエンピツ追加

管理者:お天気猫や
お天気猫や
夢図書[ブックトーク] メルマガ[Tea Rose Cafe] 季節[ハロウィーン] [クリスマス]

Copyright (C) otenkinekoya 1998-2006 All rights reserved.