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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2003年03月19日(水) --

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「作家小説」

☆夢図書ほのぼのミステリ短編集3

現代日本の本格中の本格ミステリ作家、と言えば有栖川有栖。
毎回毎回、おお、と読者を関心させるトリックを考えるのって
どんなにか大変でしょう。

と、いう訳でこちらは「うひゃあ、作家さんって大変(笑)」
という作家のこぼれ話的悪夢の短編小説集。
遅筆、駄作、締切、鬼編集者、サイン会などなど、どんな作家さんも
恐れる恐怖の数々。
本文中で引用されている星新一さんのネタを生む苦しみ、私も読んだ覚えが
ありますが、SFやミステリのようなアイデア勝負の非日常的
エンターテイメント作品はネタを考えるのが本当に大変でしょう。

しかし有栖川さんはネタを無駄にしませんねえ。
日頃の作家生活での出来事ならば誰でもネタにするでしょうが、
没ネタや仲間うちでの思いつきのような「どうすんじゃこんなネタ」
みたいな小ネタまで、まとめて作品にしてしまうんですから。
貧乏性の私は「その馬鹿ネタ、もしかしたら本編に使えるかも?」
とか思ったりして──有栖川さんも「もしや」と思ったかも。
しかし、火村が真顔でこんな謎解きをしたらアリスにハリセンで
殴られるでしょうから、そっちでは使わない方がいい。やっぱり。

それにしても、本編の上品で穏やかな文体では忘れてしまいそうですが、
有栖川有栖にはさすがに大阪人の血が脈々と流れておりますな。
「作家漫才」の「名作文学イントロあて」、以前読んだとき
あんまり感動(笑)したので一時BBSの話題にしたところ、
物凄いメイ作を頂きました。
「作家漫才」(コンビ名)の芥川君と直木君に教えてあげたいわ。

「悪夢」ばっかりじゃないですよ、小説家ならではの見果てぬ「夢」の
作品もあります。
それからサイン会もこんな怖いものではないようです。
有栖川さんの手のひらはとっても柔らかい、とネット仲間の間では
握手好感度ナンバー1です。
(ナルシア)


「作家小説」 有栖川有栖 / 幻冬舎ノベルス

2002年03月19日(火) ☆水色の中止令状。

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