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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2002年11月18日(月) --

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『ゆき』

クリスマスの前に読みたいと思っていた絵本。 どこか寒い地方の街角で、ゆきが空から降ってくる 様子を描きながら、淡々と、 大衆への風刺や、無垢な者のよろこびを グレーの空の下に、そっとひろげる。

ゆきを最初にみつけるのは、犬をつれた少年。 ひとひらのゆきを見つけて、うれしくて たまらない少年…かつて私たちがそうであった ように。

でも、だれも気付かないし、認めようとしない。 いつになったらわかるのだろう? なぜ、見ようとしないのだろう?

空も建物も、すべてがグレーに、色をなくした街角で、 ゆきだけが、白くしずかにしずかに舞い降りてゆく。 なつかしい流行歌のように、 何かを思い出させるかのように、 現世の汚れを祓うかのように。

ゆきが降ってくる。 私たちのこころにもなにか、 そんなひとひらひとひらが積もっていって、 やがて私たちになる。 (マーズ)


『ゆき』 著者:ユリ・シュルヴィッツ / 訳:さくまゆみこ / 出版社:あすなろ書房

2000年11月18日(土) 『心霊写真』

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