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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2000年11月18日(土) --

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『心霊写真』

私達の身近な何か、特にサブ・カルチャー系に視点を絞って 戦後史や近代史を読み解いていく手法が昨今花盛りですが、 これはなんと、かの「心霊写真」が読み解く日本!

写真の発明とともに生み出された「幽霊写真」が 幾多の技術的工夫の果て60年代の 「なにもないところに霊を見い出す」心霊写真ポスト・モダンを経て、 現代の心霊ビデオに至る、メディアと一体となった エンタテイメントとしての心霊写真の変遷を追いかけると、 日本人の求めて続けている何か曰く言い難い日常性のゆらぎが ひたひたと感じとれます。

「心霊」という言葉と概念の成立の歴史、 かの有名な福来博士の念写実験と彼に対立する心霊研究家達、 ブームを巻き起こした心霊写真の数々の栄光と失墜。 キワモノで片付けられない、 これは日本の精神史の一面でもあるのでしょう。

「ほらここ、」
「えー、わかんないよ」
「ほら、ここが目でここが口で、ちょっとこっちむいててー」
「………あっ!!!」
「見えた?」
「うんうん、ここが目でしょ、あー、すごーい、」

信じていた訳ではなかったのに。 心霊写真集が大ブームだった当時、 子供だった私は印画紙に落ちた光と影の斑に 何を見たかったのかなあ。 そして今も。(ナルシア)


『心霊写真』 著者:小池壮彦 / 出版社:宝島社新書

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