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夢の図書館新館

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-- 2002年10月07日(月) --

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『花日記]』

現代の日本をして、 中国文化に幻惑されて本来の感性を忘れかけていた 平安時代と似ている、という白州正子。

十代でアメリカに留学し、 大陸的ニューハンプシャーの「秋」と出会い、 そこに「経緯」のないことに気づき、 日本の秋の風情を懐かしんだという。

1998年発行というと、不思議な気がする。 この花を器にいけ終え、 その年の暮れに他界した人を思うにつけ、 年齢ゆえの枯れ方というような常識も、 世間の思い込みに過ぎないのかと。

この写真集は、暮らしのなかでおりおりに 季節を告げる植物、その「緑」を分かちがたいものとして 暮らしに取り入れてきた日本人の 「想い」そのものをテーマとしている。

あるじ亡き現在は、一般にも開放されている白州邸。 農家の趣を残すふるびた空間で 思いつくまま「いけられた」花と器。 そして白州正子の言葉が、歳月をものがたる。

すべての器に背景があり、 それを生みだし、育てた手がある。 そういう器が、花と出会うとき、 花は意味をもって「いかされる」のである。 野に咲く花は花のまま、それはそれでよい。 花をいけることは、花が「花に成る」ことなのだと。

どのような知識よりも、 最終的に真善美を見きわめるのは、 あなたというひとりの魂なのだと。

白州正子という名をみるたびに、 思いは同じところをめぐる。 「こんな人は日本にもう現れない」と。
(マーズ)


『花日記』 著者:白州正子 / 写真:藤森武 / 出版社:世界文化社

2001年10月07日(日) ☆SFの佳品リスト
2000年10月07日(土) 『陰陽師』

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