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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2001年07月30日(月) --

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『シンプル・マーケティング』

マーケティング関係の本は、 人のおすすめとか書評とか、そんなきっかけで、 仕事上年に何冊かは読む。 それでも、内容が面白くて一気に読めてしまうという 本書ならば、マーケ業界の人でなくても楽しめると思う。

この本は東京の大書店の棚から選んできたもの。 無知なため、森さんが相当有名なマーケッターであることも 発行数のきわめて多いマーケティングのメルマガを 発行していることも、後から知った。 (中身のある本というのは装丁から透けて見える というのが持論なので、パッと見て選んだ)

現在はコンサルティング会社を起こされていて、 もともと大手メーカーでブランドマネジャーもされていた という経歴から、広告関係の文章もかなり説得力がある。 (なぜか誤字脱字とともに日本語の校正不備もあり、 文脈に響く場合もあったのは残念だが)

そもそも、マーケティングとマーケットリサーチを 同じ概念としてとらえている人はとても多いし、 マーケティングという言葉に拒否反応を示す人も多い。 私も以前は企画書の「戦略」という言葉に拒否反応があったが、 マーケティングの極意はまさに、勝つための戦略・戦法である。

世界は複雑に過ぎる。 そこに万能薬のマーケ理論などなく、いかにケースに応じた 理論や戦法の組み合わせで戦うのか、 自分の身丈に合った戦法や市場の常識を 知っていて悪いことはない。 経営者が自社の位置付けや価値を 正しく知らないために戦法を誤り、 時代を読み損ね、企業の明日を路頭に迷わせることだって あるわけだし、大手企業でもそういう失敗は多々ある。

もちろん、そうしたノウハウとは まったく別のアプローチから同じ結論に達する場合も あるとは思うが、裏づけがある「読み」には 何よりも説得力があるのである。

実際、一道で達人とされるキャリアがあれば、 対象の概要を見ただけで、何が問題なのかは、それはわかる。 そこに理論やデータの裏付けが取れて初めて、 クライアントは納得するのである。 ただし、理論が正しく、データも正しい場合は、である。

本書がさまざまな戦略事例や理論を切り口にして 読者に教えてくれるのは、 ただ「あるべき」マーケティングだけではない。

ものごとの背後にある「真実」をつかめ、 という指令である。(マーズ)


『シンプル・マーケティング』 著者:森行生 / 出版社:翔泳社

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