嫁ブーとぼくは、それぞれに必需品を持っている。 嫁ブーの場合、それは耳かきである。 ほとんど癖になっているようで、毎日二三度は耳かきを耳に突っ込んでいるようだ。 使っている耳かきは竹製で、もう数年同じ耳かきを使っているのだが、すでに黒ずんでいる。
そのせいでもないが、ぼくはその耳かきは使わない。 いや、その耳かきのみならず、耳かき自体を使うことはない。 以前は使うこともあったが、一度耳かきで耳をかきむしって以来、使うことをやめた。 今ではもっぱら綿棒を使っている。
一方ぼくの必需品はというと、孫の手である。 ぼくの場合は嫁ブーのように癖にはなってないのだが、やはり日に二三度は孫の手で背中をかいている。 孫の手がうちに登場したのは昨年の秋である。 その頃、背中上部に痒みを覚えるようになり、百円均一で買ったのだ。 それ以来、ぼくの必需品となったわけだ。
その痒みだが、最初は垢でもたまっているのかと思い、風呂に入ると必死に背中をこすっていた。 さすがにその時は痒みもおさまり気分もいい。 しかし、時間が経つとまた痒みがやってくる。 背中に何か出来ているのではないかと思い、嫁ブーに背中を見てもらったのだが、「別に何もないよ」と言う。 「ということは時期的なものだ」と思い、特に薬を使用することもなく放っておいた。
ところが、今年に入ってもなかなか痒みは治まらない。 そういう時にムヒソフトのCMを見た。 かいてもかいても痒みが治まらないのは、「かゆみ肌」のせいだというのだ。 かゆみ肌は乾燥肌が進化したものらしい。 そういえばぼくは、冬場はいつも乾燥肌で悩んでいる。 と、何気なく背中の痒い部分を触ってみると、カサカサしているように思える。 「なるほど、痒みの原因はこれだったのか」
それ以来、保湿成分を含んだクリームを背中に塗るようになったのだが、まったく効き目がない。 そこで、とうとうムヒソフトを試してみようと思うようになった。 ところが、そう思うのはそのCMを見た時だけである。 試してみようと思って以来、何度もドラッグストアなどには行っているのだが、その時は違う目的で行っているため、ついそのことを忘れてしまうのだ。
今度はムヒソフトを買う目的で、そこに行くことにしよう。 そして早い内に「かゆみ肌」を治しておくことにしよう。 この痒みをいつまでも放っておくと、冬場にはえらいことになってしまう。
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