嫁ブーを会社まで送っていく時に、いつも思うことがある。 それは「新しい車がほしい」ということである。
とにかくスピードが出ない。 ぼくの家は幹線道路に接しているため、けっこう交通量が多い。 その合間を狙って道路に出るのだが、素早くスピードを上げないと、すぐに後続の車に追いつかれてしまう。 こういう場合、後続の人は「入れてやったのにノロノロ走りやがって」と思うに違いない。 いや、ぼくもそういう場合はそう思うから、他の人もきっとそうだと思う。
また、登り道などでも、以前は若干アクセルふかすだけで速度は保てたのだが、今はかなり踏み込んでもスピードは出ない。 ということで、今は高速道路を使えない。 いや、使いたくないのだ。 高速道路の登坂車線はけっこう距離があるから、もしこの車で走るとすると、いいとこ50キロしか出ないのではないだろうか。 それも距離が伸びれば伸びるだけ、速度は落ちてくるから、かなり周りに迷惑をかけるだろう。 だから嫌なのだ。
車がほしい理由は他にもある。 それは燃費の問題である。 2年前までは、1リットルで10数キロ走っていた。 昨年は少し落ちて10キロ前後。 それが今では7キロもいかないのだ。 そのため、たかだか嫁ブーの送り迎えに使っているだけなのに、月2回、下手すれば3回もガソリンを入れなければならない。 ガソリンが高騰している今の2回分の価格は、2年前の4回分とあまり変わらない額である。 この出費が、失業者には非常にきつい。 このガソリン代を減らすためにも、新しい車が必要だというわけだ。
スピードと燃費、他にもエアコンの利きが悪いといった理由もあることはあるが、車がほしいという主な理由はこの二つにつきる。 で、問題はここからである。 車がほしいのはいい。 だが、それを手に入れるために必要な資金が、今のぼくにはないのだ。 まあ、資金がなくてもローンを組んで手に入れることはできる。 ところが、これが今のぼくには組めないのだ。 なぜかというと、失業中だからである。
だが、まったく方法がないというわけではない。 それは何かというと、「魔法の言葉」である。 「またわけのわからんことを言って…」と思われるかもしれない。 ところが、この「魔法の言葉」が実に効果があるというのを、ぼくは最近身をもって体験したのだ。
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