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2006年08月23日(水) ギター講座

ぼくがギターを始めたのは、高校1年の秋だった。
ギターを手に入れた日に簡単な入門書を買ってきて、それで調弦の仕方を覚えた。
当初入門書に頼ったのはそれだけで、あとは吉田拓郎のスコアブックでコードを覚えたのだった。
もちろんそれだけだったので、アルペジオなどというしゃれた弾き方は出来るはずもなく、ただ歌に合わせてピックでジャカジャカ弾くだけだった。
その当時のぼくは、それで充分だったのだ。

ところが、周りにはえらく上手い奴がいて、難しい曲をレコード通りに弾いていた。
それを聞いて、コードだけではダメだと思うようになった。
とはいえ、人に習うのは嫌である。
そこでまたもや入門書を開くことになる。
ところが、その入門書に載っていたのは、いわゆるフォークソングのスタンダードナンバーばかり、それもコピーなどではなく、そういう歌を「簡単なアルペジオで弾こう!」といったものだった。

新たに本を買い込んできたものの、当時市販の教本というのは、レコードやカセットテープなどはついておらず、ただ解説と楽譜で勉強しろというものだった。
そのため、どう弾いていいのかが、まったくわからない。

そういう時に読んだ本に、ギターがうまくなる一番の方法は、レコードをコピーすることだと書いてあった。
そこで、さっそく実行してみたのだが、基本が出来てないぼくには到底無理だった。

半分ギターのことを諦めかけていた時に見つけたのが、エレックレコードの通信教育だった。
パンフレットを見ると、それは半年の講座で、毎月レコードと教本が送られてくるというものだった。
また会員には、将来レコードデビューするチャンスもあるというようなことも書かれていた。
「将来レコードデビューするチャンス」、この殺し文句を見て、ぼくは即座に通信教育の手続きをした。
そして半年後、ぼくは何とか人並みにギターを弾けるようになったのだった。

それから数年後、ぼくは楽器を売るようになっていた。
そこには数々の楽器の他、楽譜や教本などが置いてあったのだが、その教本には教則用のカセットテープが付いていた。
もちろん、価格も通信教育よりずっと安かった。
またそれから数年して、今度はビデオ付きの教則本まで出てきた。
ここまで来れば、マンツーマンで人から教えてもらっているのと変わりはない。
ぼくが通信教育で苦労したコードのポジションも、これだと簡単にわかるのだ。
まさに至れり尽くせりである。
しかも、これまた通信教育よりは、ずっと安い価格だった。

時代は流れて、今はこんなものがあるのだ。
ネットで始める音楽レッスン「ヤマハミュージックレッスンオンライン」
ネットを利用して、ギターなど楽器を教える講座である。
懇切丁寧な内容だし、掲示板を使って情報交換も出来るという。
もしぼくが学生時代に、こういうのに巡り会っていたとしたら、今頃はプロになっていただろう。
ホント、うらやましい話である。


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