18日、台風の日に、セシールのネットカタログで見つけた商品である。 サイトのトップに女性下着が載っているのでちょっと躊躇したが、こののれんを見つけたからにはしかたない。 さっそく会員登録して、こののれんを注文した。
実は、ぼくは前々から、この「『ゆ』のれん」がほしかったのだ。 20年ほど前、あるお客さんの家に行った時に、こののれんを見つけ、一目で気に入った。 そこで「これ、どこで売ってたんですか?」と聞いてみると、そのお客さんは「そんなのどこでも売っとるよ」と言う。 それを聞いて、ぼくはデパートやインテリア専門店などを探し回った。 ところが、どこにも置いてないのだ。
それから、そのことをようやく忘れた数年後のことだった。 友人と湯布院に一泊旅行に行った。 その時泊まった宿屋で、そののれんを見つけたのだ。 しかし、その時はおみやげを買ったり按摩さんを雇ったりしたため、お金があまり残ってなかった。 まあ、友人にお金を借りて買うという手もあることはあったが、湯布院にあるということがわかったから、別にそこまでしなくても次に来た時に買えばいいと思い、その時は買わずに帰ったのだった。
ところが、それが誤算だった。 何が誤算だったのかというと、その後何度か湯布院に行ったのだが、その宿屋がどこだったかわからなくなくなったのだ。 おみやげ屋さんに行っても置いてないし、もしかしてあるんじゃないかと思って行った温泉にも置いてなかった。 それでまた買う機会をなくしてしまったのだった。 というわけで、今回、20年かかってようやく手に入れたわけだ。
ところでこののれん、注文した時は21日発送、23日到着ということになっていた。 そこで、23日に予定を入れないようにしていた。 ところが着いたのは今日である。
午前中のことだった。 嫁ブーを送って、家に戻ってきた時だった。 「ピンポーン」というインターフォンの音がした。 出てみると、ペリカン便の人だった。 「お届け物があります」と言う。 ドアを開けると、その人は小さな箱を持っていた。 受けとってみると、その箱はえらく重いのだ。 最初はのれんかと思ったが、のれんがこんなに重いわけはないし、今日着くはずはない。 「では、いったい何だろう?」と思って箱を開けてみると、「お買い上げありがとうございます」と書いた紙が入っており、その下にのれんが入っていた。
早くも今日届いたのだ。 これはうれしい誤算である。 で、何が一体重かったのかというと、のれんの下に入っていたセシールのカタログだった。 何冊も積み重ねられていた。 これも誤算である。
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