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2006年06月01日(木) 蛍の光

【河内(八幡東区)】
何日か前に「大蔵で蛍が飛び交っている」という話を聞いた。
地元の蛍スポットとしては河内が有名だが、大蔵はそこに流れている川の下流になる。
その話を聞いて、ぼくはさっそく行ってみたいと思った。
実は、それまで何年か続けて見に行っていた蛍を、昨年は見ることが出来なかったから、「今年はぜひ」という思いがあったのだ。

ということで、今夕、大蔵に行ってきた。
ところが、大蔵どころか、その上流の河内にも蛍は出てなかった。
いや、河内にいることはいたのだが、ほんの数匹程度だった。
しばらく見ていたが、そのうち数匹も消えていった。
情報の主は、いったい何匹の蛍を見て「飛び交っている」などと言ったのだろうか。

しかし、せっかく蛍を見に来たのである。
ここはぜひとも見ておかなければ、今度はいつ来れるかわからない。
そこで、別のスポットに行くことにした。
どこに行こうかと迷ったが、手っ取り早いのは区内にある黒川である。
しかも、そこは河内のように山の中ではなく、幹線沿いの平地なので、運転も楽だ。

「黒川に行こう」と決めた時に、ちょうど出張に行っていた嫁ブーから「仕事が終わった」と連絡が入ったので、河内から駅まで迎えに行った。
結局、河内には10分程度滞在しただけだった。

【黒川(八幡西区)】
さて、嫁ブーを乗せてから、そのまま黒川に直行した。
時間はすでに午後9時を回っていた。
「もう店じまいしとるかもしれんの」
「蛍に店じまいとかあるんね?」
「だって、一晩中火を灯しとるわけじゃないやろ」
「ああ、そうか」

黒川に着いてみると、川沿いに何台かの車が停まっていた。
そして川のほうから、人の声が聞こえてくる。
「人がおる。たぶん、まだ店じまいしてないんやろの」
と、車を降りて、川べりに降りてみた。

「うわー」と、嫁ブーが思わず声を上げた。
川べりに生い茂ったけっこう広範囲の草むらで、淡い光がフワーと浮かんでは消えていくのだ。
色はというと、蛍光色とはよく言ったもので、その通りの色をしていた。
街灯や車のライトで、周りはけっこう明るいのだが、それでもしっかりと光っている。
時々こちらに近づいてくる蛍もいて、嫁ブーの肩にとまって光を放っていた。

こういう時、昔のぼくなら詩の一つでも書いていたのだろうが、今はそれが出来ないでいる。
それだけが残念である。


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