再び夢の話である。 時代はぼくが学生の頃だったと思う。 夢はその時代の風景を映していた。 その頃、ぼくの部屋の前には、高さが10メートルにも満たない小さな山があった。 ぼくが小学生の頃に、よく遊んだ山だ。 まだ高い建物が少なかった時代で、山の上からは若戸大橋が見えていたものだ。 その山の上には防空壕跡があった。 よく他の地区に住んでいる奴らが、ローソク片手に探索に来ていた。
その山の上に2階建てのアパートが建っていたのだが、見晴らしがいいこともあって、ぼくはいつもそのアパートに住みたいと思っていた。 夢はそのアパートを、その頃のままに映していた。 ブロック建てで、少し汚れたクリーム色をしていた。
さて、夢の話である。 ある日のこと、ぼくがそのアパートを眺めていると、周りの木々がえらく揺れている。 「今日は風が強いなあ」と思って見ていると、徐々に風は強くなっていき、そのうちアパ−トを揺らしだした。 時間を追うごとに揺れはひどくなった。 そしてぼくが「もしかしたら」と思った瞬間だった。 バシッと言う音とともに、2階部分が切り離されて、飛ばされてしまった。 そして、そのままうちの2軒先の家に突き刺さった。
あたりは騒然となった。 ぼくも家を飛び出して、現場を見に行った。 そして「住んでいる人はどうなったのだろう」などと思っている時に、目が覚めたのだった。
目が覚めても、そのことがなかなか離れようとしない。 「もしかして、あの夢は何かを暗示しているのではないだろうか」と思ったぼくは、さっそく夢占いのサイトを調べてみた。
まず、『家が壊れる』で調べてみると、「心身の疲労、失敗、家庭崩壊の予感」わ暗示している、とあった。 次に『強風』で調べてみた。 「基礎体力の低下」を暗示する、とあった。 「うーん…」 疲労や体力の低下は、今の仕事ではまず考えられない。 やればやるだけ体力がつき、健康になっているのだから。 失敗…、別に失敗しても咎められるような部署でももないし。
ということは、家庭の崩壊か。 楽しみである。
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