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2006年02月24日(金) レジャーモービルの女(1)

東京から戻った年だったから、1980年のことである。その頃ぼくは、友人とバンドをやっていた。いや、バンドをやっていたのではなく、バンドの練習をしていた。バンドと言っても、その頃は2人しかおらず、楽器はギターとベースたまにハーモニカという編成だった。練習場所は友人宅で、その友人はそのためにわざわざ離れの部屋に防音設備まで整えた。その防音設備のある部屋でどんな曲をやっていたのかというと、ほとんどがぼくのオリジナル曲だった。高校から作り始めた曲は、その頃には150曲を超えていたのだが、その中から自分たちの気に入った曲をピックアップしてやっていたのだ。おそらく20曲近くのレパートリーがあったと思うが、その中でも特によくやった曲は、『レジャーモービルの女』だった。 夜も越え 薄ら灯り 揺れるまなざし 知った彼の 懐かしい レジャーモービルの女 切れ長な 光る瞳 濡れた道を 振り返り 時を忘れ レジャーモービルの女  飛び出すな熱い汗よ 風に奪われ消えてしまう  疲れを知らない 気ままな女 夜は明けた ため息つく 窓は曇って 力込めた か細い腕 レジャーモービルの女

この歌を作ったのは、その年の3年前、つまり1977年だった。長距離トラックに乗っていた叔父の手伝いをやった時に、叔父がしきりに「レジャーモービル、レジャーモービル」と言っていた。それが耳について、いつのまにか歌詞が出来、そして曲が出来たのだった。ちなみにレジャーモービルというのは、叔父に言わせると自家用車のことらしい。さて、なぜバンドでこの曲を頻繁にやっていたのかというと、ヤマハのポピュラーコンテスト(ポプコン)に応募するためだった。ポプコンは、まずテープ審査があるのだが、そのテープは自宅録音ではだめで、ヤマハに出向いて作らなければならなかった。もちろん一発録音だから、失敗は許されない。ということで、ぼくたちは必死に練習をしたのだった。


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