頑張る40代!plus

2005年04月22日(金) 携帯写真より

【1】
左の写真は、先日家の近くのスーパーで買った『こんぶ飴』のパッケージである。
昭和初期の画だろうか?
こういう古くさい画を使って、「古くからあるお菓子ですよ」というのをアピールしているのだろう。
またその画がじいさんと子供であることから、「お年寄りから子供まで愛されているお菓子ですよ」と言いたいのだろう。
しかし、この画は不自然である。
じいさんのこの容貌からすると、確実に90歳は超えている。
当然その時代の年寄りだから、腰が曲がっていてもおかしくはない。
はたして、そういう人が子供を肩車するだろうか?
うちのじいさんはすでに60代後半で、当時5,6歳のぼくを肩車することを拒んでいたくらいだ。
いくら自分の孫曾孫といえども、90歳を超えたじいさんがそういうことをやるだろうか。
もしやったら、腰を抜かしたり、骨粗鬆症の人なら骨を折ったりするのがオチだ。
家の人からも「おじいちゃん、やめて下さい」と言われるだろう。

【2】
肩車で思い出したが、北九州では肩車のことを『ビビンコ』という。
その語源が何かは知らないが、幼い頃からそう言い慣してきたので、今でもぼくは違和感なく使っている。

ところで、ぼくの勤める店は、社員の数よりもパート・アルバイトの数のほうが圧倒的に多い。
そのパートアルバイトの半分くらいが他県出身である。
ある日のことだった。
その他県出身のパートさんが、高いところにある商品を取ろうとして脚立を持ってきた。
ぼくはそれを見て「ビビンコしたら取れろうもん」と言った。
するとそのパートさんは「えっ、ビビンコって何?」と聞いた。
「えっ!?ビビンコはビビンコやろ」
「それって方言でしょ?」
「えっ、これ方言なん?」
「だって私の出身地じゃ使わないもん」
「えーっ、そうなん?」
「うん。で、ビビンコって何?」
パートさんにそう聞かれて、ぼくはその答がとっさに出てこなかった。
そこで「ほら、親が子供を肩に担ぐやないね」と説明すると、パートさんは「ああ、肩車のことやね」と言った。
そうだった、『肩車』と言うんだった。

しかし、ショックだった。
いや、別に『肩車』という言葉が出てこなかったことがショックだったわけではない。
『ビビンコ』が方言だとわかったことが、ショックだったのだ。
ぼくはそれまで、『ビビンコ』は標準語だとばかり思っていた。
人並み以上に本を読んできて、それなりに標準語や方言のことも知っているつもりだった。
ところが、それがいともたやすく否定されたのだ。
それも、『ビビンコ』というどうでもいいような言葉にである。
ショックを受けないはずがない。

時々そういうことがある。
かつてこの日記で『ギリギリ』という言葉を書いたら、掲示板に「ギリギリって何ですか?」と書かれたことがあった。
その時、ぼくは初めて『ギリギリ』が方言だということを知ったのだった。
では、標準語でいったい何というのか?
その時は、それで困ったものだった。
それ以来、日記を書く時に標準語か方言か迷った時には、必ず辞書を引くようにしている。

【3】
右の写真は、うちのパートさんの姪っ子の写真である。
そして黄色い画は、その写真を見ながらぼくが描いたものである。
一つ一つのパーツを丁寧に描いたら、こんな顔になってしまった。
しかし、そう悪い画ではない。
中学1年の2学期に、美術の通信簿で1点を取ったぼくとしては、上出来なのだ。
ところが、それを見たパートさんは「全然似てないやん」と言う。
さらにその画を見たその子の母親からは「うちの子はこんな変な顔はしてない!」とさんざん文句を言われたのだ。
いったい、どこがおかしいんだろう?
中学1年の2学期に、美術の通信簿で1点を取ったぼくとしては、それがわからない。


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