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2005年03月22日(火) 地震の予兆

フジテレビの『救命病棟24時』が終わった。
終わってみれば、実にタイムリーなドラマになったようだ。
今回の福岡西方沖地震は、今のところあそこまで酷くはないのだが、今後どう展開するのかわからない状況にある。
出来ることなら、あの地震の感触を二度と味わいたくないのだが、専門家の話では、何日以内にもう一度震度5クラスの地震があるかもしれないと言っていた。
その兆候なのか、今日も何度か余震があった。

ところで、ぼくは今、地震のあった日に何か予兆のようなものがなかったどうか思い出している。
前に『時間ですよ 昭和元年』という古いドラマを見ていることを書いたが、そのドラマの中で、池波志乃が、関東大震災の想い出を語るシーンがあった。
「その日は、なぜか頭のあちこちが痒かった」
「朝から変な雲が出ていた」
「突然雨の混ざった風が吹き出した」
「一度いい天気になって、みんなが安心したところで、グラグラきた」
などというようなことを言っていた。
それを思い出したわけだ。

ぼくの携帯に毎朝届くウェザーニュースでは、あの日の天気予報は、「曇り空からポツンと雨が降ることも。午後は日差しが復活します」となっている。
実際の天気はというと、終日曇りだった。
が、特に変わった空ではなかった。
『空の日記』に地震直後の空を掲載しているが、何の変哲もないただの曇り空である。

ということで、空には何の予兆もなかった。
と思っていたら、アルバイトのS君が、「親父が前日、地震雲を見たと言ってましたよ」と言っていた。
「地震雲…。どんな雲か?」と聞いてみると、「飛行機雲の端がジグザグになったような雲です」と言う。
「飛行機雲なら昨日の夕方見たけど、あれが地震雲なん?」
「ええ、そうらしいです」
「普通の飛行機雲にしか見えんかったけどのう…」
しかし、Sの父親は、なぜ地震の前日にそれを言わなかったのだろう。
もしそうしていたら、予言者として食っていけただろうに。
地震が起こったあとから、何を言っても同じである。

さて、その他の予兆はというと、そういえば嫁ブーが変なことを言っていた。
嫁ブーは、その日タクシーで会社に行った。
隣のコンビニの前で信号待ちしている時、何羽かのカラスが低空飛行して、車の前を横切って行ったらしい。
特に珍しいことではないが、運転手がその時に限って、「不吉ですね。何か悪いことでもあるんですかねえ」と言っていたという。
確かに動物は天変地異を察する能力があるという。
が、カラスが低空飛行したからと言って、不吉だと決めつけるのはいかがなものか。
それなら、ごみ収集日には、いつも地震が起こらなければならなくなるではないか。
ぼくが思うに、その予知能力というのはカラスのほうにあるのではなく、その時カラスを見て不吉だと感じとった運転手のほうにあるのではないだろうか。
そう考えるほうが自然だろう。

さて、ぼくに関して言えば、その日特に変わったことといえば、朝の下痢騒ぎが上げられる。
その下痢の原因は食中りでも、風邪でもなかったのだ。
とはいえ、他の理由は何一つ見あたらない。
そこでぼくは、てっきり朝下痢が地震の予兆だと思い込んでしまった。
それを何人かの人に言ったものだった。
ところが、そうではなかった。
原因は他にあったのだ。
地震の翌日、つまり昨日のことだったが、休憩中にぼくはいつものようにガムを噛んでいた。
その時何の気なしにガムの注意書きを見ていると、そこに『一度に多量に食べると、体質によりお腹がゆるくなる場合があります』と書いてあった。
そう、下痢の原因は、キシリトールガムの噛みすぎにあったのだ。
ぼくは最近、歯の健康を保つために、いつもキシリトールガムを噛んでいる。
そういえば、地震の前の日、ぼくは夜中にしきりにガムを噛んでいたのだった。
そう、ぼくはキシリトールガムでお腹がゆるむ体質だったのだ。
せっかく、朝下痢が地震の予兆だと思って喜んでいたのに、残念である。
しかし、もしそれが地震の予兆だとしたら、朝下痢をするたびに、いつも地震を気にしなくてはならなかっただろう。
それを考えると、キシリトールが原因でよかった、と少しホッとしている。


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