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2005年03月21日(月) 我が家における地震の被害

昨日は嫁ブーも仕事だったため、地震が起きた時は家には誰もいなかった。
地震が起きてからしばらくぼくは、会社のことや実家のことに気をとられて、家のことを忘れていた。
ところが、テレビの報道番組で映し出される福岡市内の状況を見たり、店にくるお客さんの被害状況などを聞くにつれ、だんだん不安になってきたのだ。

まあ、火災や倒壊などはないだろうが、食器棚や書棚が倒れてしまっているかもしれない。
何よりも心配になったのは、そういうものが倒れてきて、パソコンを押し潰してはいないだろうか、ということだった。
他の人にとってはどうでもいいことだろうが、そこにはこの5年間、ぼくが生きてきた証がたくさんつまっているのだ。
それを考えると、すぐにでも被害状況を確かめたい気持ちになった。
しかし、家に戻ることはできない。
ということで、被害状況の確認は、仕事が終わる午後8時以降までお預けとなった。

それだけ家が気になっていたにもかかわらず、仕事が終わってから、ぼくが向かったのは家ではなく、実家のほうだった。
会社で帰る時を待っている間、心の中を不安がよぎっていた。それは、家の中の状況を悲観的にとらえていたからである。
そのため、家に入るのが空恐ろしかったのだ。
そこで、まず実家の状況を確認してから、心の準備をしておこうと思ったわけである。
実家の中は普段と変わらなかった。
が、それでもガスが止まったり、額が落ちたり、タンスの上に乗せてあった箱が落ちたり、重ねてあったCDのケースが割れたり、掛時計が歪んだりしたのだという。
団地の3階にある実家でさえこの状況である。6階にある我が家はさらにひどい状況になっているだろう。
「こうなったら覚悟を決めよう」
ようやく、ぼくは家に帰る決心をした。
その時、ブーから仕事が終わったという連絡が入った。

さて、家に帰ってから、ぼくは恐る恐る鍵を開けた。
とりあえず、玄関は変わった様子はない。
そこで家に入り、さっそく被害状況を調べることにした。
嫁ブーと手分けして一つ一つチェックした。
幸いぼくが調べたほうは、何も被害はなかった。
嫁ブーが調べたほうも何事もなかったようだ。
ガスを点検したが、ここも異常はなかった。
やれやれひと安心とリビングに入った。
部屋着に着替え、いつものように嫁ブーがテレビのスイッチを入れようとした。
その時だった。
嫁ブーが「あー!」と大声を上げた。
「どうしたんか?」
「被害が出とる」
「えっ、何が?」
「これ…」
「・・・」



そこにはドラえもんが倒れていた。
テレビの上に置いていたものである。
揺れで落ちたのだ。
我が家における、唯一の被害だった。


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