先日、知り合いの人からお祝いをもらった。 どういうお祝いか、またどういうものをもらったかは、ここでは書かないが、とにかくお祝いなのだ。
ぼくは元々お祝いなどをもらうのが嫌である。 分不相応というか、そんなものをもらうほど人間は出来ていない。
しかも、お祝いをもらえばお礼を言わなくてはならない。 これが苦手なのだ。 いつも「ありがとうございました」と言っている職業に就いているので、お礼を言うことは慣れているだろうと思われがちだが、私生活に関してはそうではない。 普段知っている人にお礼など、なかなか言えるものではない。 第一、照れるじゃないか。
次に、お祝いをもらったらお返しをしなければならない。 これがまた苦手である。 ありきたりのものをお返しするのは、ぼくの主義に反している。 「ああ、これは便利だ」と思われるものをお返しとして選ぶため、時間がかかってしまうのだ。
お返しを買ったあとは、先方に行って渡してこなければならない。 元々出不精なので、これも苦手である。 宅急便などで送れば何ということはないが、贈答ではなくてお祝いのお返しなのだ。 多少遠くても持って行くのが筋である。
ということで、今日はお返しを買いに行き、その足で先方に伺おうと思っていた。 先方は夜しかいないので、夕方からデパートに行くことにした。
デパートの着いてみると、駐車場は満車状態だった。 「平日なのに多いなあ。さすが師走だ」などと思っていたら、それもそのはず、今日はお得意様招待セールをやっていたのだ。 店内はかなりの人出で賑わっている。 そのため、どこの売場に行っても、満足に品定め出来ない。 しかたなく、いったんデパートを出て、別館のほうに行った。 そこにはインテリア商品が置いてある。
別館は8階建てで、4階までは本や文具関係を置いてある。 インテリア関係はそれから上の階にある。 ぼくは4階まではよく利用するのだが、5階以上の階に行ったのは今日が初めてだった。 初めてなので当然期待が膨らむ。
そこには家具やインテリア商品が整然と並べられていた。 ところが、その値段を見て驚いた。 ちょっとした小物が3万円以上もする。 勉強机は安いもので10万円台。 テレビ台の価格が25万円、もはや液晶テレビ並みの値段である。 まさに「お呼びでない」という世界だった。 ぼくはそそくさとその店を後にした。
ということで、今日はお返しを買うのを断念した。 今度またゆっくりした時に、ゆっくり品定めをすることにしよう。
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