晩飯をすませてから、少し横になっていたのだが、そのまま眠ってしまっていた。 気がつけば、もう翌朝の6時になっている。 ボーっとしたままパソコンの前に座っているのだが、意味もなく時間ばかりが過ぎていく。 ああ、そうだった。 まだ風呂にも入っていない。 眠気覚ましの意味でも、風呂に入ってくるか。
ぼくは基本的に朝風呂が好きである。 前の会社を辞めてから、今の会社に就職するまでの半年間はほとんど毎日朝風呂に入っていた。 また、旅行に行った時、そこに大浴場があった場合は、必ず朝も入るようにしている。 以前、阿蘇で泊まった時、早起きして温泉に入りに行った。 前の晩の酒が残っていて、少し頭が痛かったのだが、露天風呂から見える阿蘇の大パロラマを見ているうちに、二日酔いは解消していった。 それ以来、二日酔いの時は、必ず朝風呂に入るようにしている。
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風呂から上がってきた。 すっきりした。 しかし、高校時代から続いている、いくら寝ても寝たりないという慢性の寝不足症なので、完全にすっきりしたわけではない。 頭の中にまだもやがかかっている。 このへんはどうやったら解消出来るのだろうか? 朝風呂でも、あまり効果はない。 ラジオ体操でも効果はない。 座禅を組んでもだめ。 頭や顔のつぼを押してもだめ。 目をマッサージしてもだめ。 ドリンクを飲んでもだめ。 いったいどうしたら治るのだろう。 一生こんなものと付き合っていくなんて、まっぴらである。
さて、風呂の中で、昨晩起きたことを思い出していた。 それは電話のことである。 夕方電話の呼び出し音が鳴った。 受話器を取ってみると、「ピー」という音が鳴っている。 FAXだったので、スタートボタンを押した。 用紙を見てみると、それは見慣れない名のガラス会社の見積書だった。 こちらでガラスなど頼んだ覚えはないし、肝心の宛名も違っている。 よく見ると、用紙の片隅に「1/5」と書かれていた。 何と、この間違いFAXはまだ続いてきているのである。 ぼくは慌ててストップボタンを押した。 これで一件落着である。 が、よく考えてみると、ただ切っただけでは、先方は「FAXが違うところに届いたので切られた」などと思わないだろう。 きっと「何かの障害があったから切れたのだろう」と思うに違いない。 そうなると、また同じFAXが流れてくる。
そこで、ぼくは相手に間違いを知らせてやることにした。 とはいえ、用紙には先方のFAX番号は載っているものの、電話番号は書かれていない。 住所も載ってない。 わかっているのは、見慣れない市外局番と会社名だけだ。 こうなれば104である。 ところが、そこから大変なことが始まった。
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