| 2003年02月08日(土) |
アホバカ列伝 教師D |
高校2年の頃、ぼくはクラスの担任とすこぶる仲が悪かった。(その担任を先生と認めたくないので、ここでは担任男と呼ぶことにする) ぼくが何かをしでかしたわけではないのだが、担任男は最初から、極端にぼくのことを嫌っていた。 修学旅行の時、友人がタバコ型のチョコレートを持ってきた。 彼はそれを「先生どうぞ」と担任男に渡した。 ところがシャレがわからないその担任男は、真顔で「おい、それはしんたが持ってきたんか」と言ったという。
物理の時間だったか、何人かの友人と授業をさぼり、図書館に行こうとしていた時だった。 不覚にも、ある先生から見つかってしまったのだ。 ぼくたちは、さっそく担任男から職員室横にある応接室に呼ばれた。 彼は一人一人に事情を聞いていった。 ぼくの番になった。 「とうとう尻尾を捕まえたぞ」と彼は言った。 ぼくが「えっ!?」と言うと、「とぼけるな、何が『え』だ! お前母ちゃん呼んでやろうか」と彼は言った。 ぼくは知らん顔をしていた。 すると、「こら、聞きよるんか!」と怒鳴る。 その後も、ネチネチと文句を言われた。
2学期の終わり頃に、父兄面談があった。 担任男は、生徒各人に希望の時間を聞いていった。 ぼくは母から「出来たら早い時間がいい」と言われていたので、担任男にその通り伝えた。 すると担任男は、「お前はだめ。話が長くなるけ、最後だ」と言った。 翌日学校に行った母に、担任男は開口一番「お宅の息子さんはクラスで一番悪いですよ」と言い、その後もさんざん嫌みを言ったという。 帰ってきた母は憤慨していた。
3学期、大雪が降った日のこと。 交通機関がすべてストップしてしまい、ぼくは歩いて学校まで行った。 学校に着いたのは1時間目が終わった頃だった。 その後、ぼくより遠くに住んでいる人も、次々と学校にやってきた。 全員そろったところで、ホームルームの時間になった。 担任男はぼくに、「お前は休むと思ったけどの」と言った。 ぼくは「ああ、そうですか」と言っておいた。
その担任男が、一度だけ笑顔でぼくのところに来て語りかけたことがある。 「おい、しんた」 「はあ」 「お前の母ちゃん、今度の選挙で誰に入れるか決めとるんか?」 「は?」 「知らんのか?」 『こいつ、おれを利用して、選挙活動をしよるんか』 そう思うと、ぼくは頭に来た。 そこでぼくは、はっきりと「はい、知りません」と言った。 「そうか」 「それがどうかしたんですか」 「いや、まだ決まってないなら、社会党に入れてもらおうと思って」 「そうですか。聞いときましょうか?」 「ああ、そうやった。お前のところは新日鐵やったのう。それなら民社党か…。そうか、そうか」などと言い、一人で納得して戻っていった。 ふざけた男である。 それからぼくは、社会党が嫌いになった。 もちろん今の社民党も嫌いである。 まあ、お笑いネタとしては好きであるが。
さて、その担任男だが、その後、麻雀賭博で検挙され懲戒免職を食らったということだ。 こういう男が担任であったと思うと、実に情けない。
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