| 2003年02月06日(木) |
九州の雪は常識をも狂わす |
また雪だ。 今年に入ってから早くも3度目である。 ひと冬に九州でこれだけ雪が積もる日があるのも珍しい。 雪に慣れてないこの島の人たちは戸惑うばかり。 とにかく少しでも雪が降ると、高速道路はストップする。 おかげで一般道は大渋滞だ。 雪はだいたい夜中に降るから、朝、目が覚めてから初めて積雪を知る。 それも、いつもの時間に起きるため、いくら頑張ったところで通常より10分程度早く出るのが精一杯だ。
ということで、今日はいつもより10分早く家を出た。 しかし、車に積もった雪をかくのに時間がかかり、出発したのは結局いつもの時刻になった。 ラジオをつけると交通情報をやっていた。 案の定、高速道路は九州道、都市高速ともに不通だった。 いつもの通勤路だと渋滞は必至だ。 どうしようかと考えたが、こういう日はどこを通っても同じである。 で、慣れた道を行くことにした。 これが明暗を分けた。
ぼくはかなりの渋滞を予想していた。 予想通りだった。 普段より車の列が長い。 「こりゃ、遅刻だ」と観念した。 ところが、流れがいい。 おかげで、国道に出るまでに、それほど時間はかからなかった。 途中何ヶ所か渋滞していた場所があったが、迂回しなければならないほどひどいものではなく、通常より少し時間がかかったくらいだった。 結局会社に着いたのは、定時内だった。
さて、会社に着いて気がついたのだが、駐車場の車の数が普段より少ない。 今日はこんなに休みは多くなかったはずだがと思い、既に出社していた人に尋ねてみると、「雪で遅れている」との答。 その遅れている一人に、ぼくの家の近くに住む人がいた。 その人の家は、ぼくの家から直線距離にして約2キロ離れている。 彼が国道に出るには、3種類の選択がある。 一つ目は、直接国道に下りるルート。 二つ目は、直接下りた場合より、3キロほど会社寄りに出るルート。 三つ目は、ぼくの通るルートで、二つ目よりさらに3キロほど会社寄りに出る。 彼は普段、一つ目のルートを通っているらしい。 今日もそのルートを通ったらしいのだ。 ところが、そのルートが大渋滞だった。 彼は7時に家を出たという。 着いたのは10時過ぎ、何と彼は3時間も通勤時間に費やしたのだ。 で、走った距離はというと、ぼくよりも6キロ多かっただけだ。 ぼくは40分で着いたから、その差は2時間20分。 つまり、彼はたった6キロを2時間20分かけて走ったことになる。
今日の場合、ぼくはラッキーだった。 しかし、以前、今日と同じような雪の日、渋滞を避けるために道を選んだために、かえってドツボにはまったことがある。 本線が混んでいたので、もう一方の本線に入った。 しかし、そのもう一方の本線も混んでいた。 仕方なく裏道に入った。 ところが、その裏道も混んでいる。 じゃあ、ということで、裏道の裏道に行った。 何とそこは、凍結のため不通になっていた。 結局引き返し、また裏道に戻った。 途中会社から電話が入り、「お前、何しよるんか」と言われた。 事情を説明すると、「馬鹿やのう。本線は途中から流れがよくなっとるぞ」ということだった。 結局渋滞にもまれ、着いたのは昼前だった。 それ以来、ぼくは通勤に関しては基本に忠実になった。 今日の場合も、一瞬迷ったが、基本に忠実に走ったのが勝因だった。 しかし、上の彼も基本どおりに走ったのだ。 これをどう理解したらいいのだろう。 やはり、九州に雪が降ること自体がおかしいんだ。 きっと、九州の雪には常識をも狂わす何かがあるのだろう。
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