テレビを見ていると、突然「ピコピコ」という音とともに入ってくるニュース速報。 以前はそれほどでもなかったのだが、最近つとに多いようだ。 神戸の震災以降、特に地震に対しての速報が目につくようになった。 直接九州とは関係ない北海道などの地震情報や、震度1程度の地震情報まで入ってくることがある。
日本は地震大国といわれているが、ぼくの住んでいる北九州地方は、地震の少ない地域である。 この世に生を受けて45年経つが、その間体で感じた地震というのは10回ほどしかない。 たまにニュース速報で、「北九州で地震」などというテロップが出ることがあるが、そのほとんどが体に感じないものだ。 郷土の歴史を見ても、地震についての記述はほとんどない。 679年に『筑紫大地震』があったと書いているだけだ。
そういう理由から、防災対策などは一切してない。 東京にいた時は、しょっちゅう地震があったので、こちらから持って行った乾パンを非常食として下宿に保存しておいた。 まあ、その乾パンは災害用の非常食としてではなく、金欠時の非常食となったのだが。
東京に出る時、いろいろな人から「東京は地震が多いから気をつけて」と言われたが、実際の地震にほとんど遭ったことがないので、あまりピンとこなかった。 ところが、東京に出た初日から下宿が揺れだした。 「怖い」というよりは、「これが地震か」妙に感動したのを覚えている。 ところが、揺れたのはその日だけではない。 翌日も、その翌日も、毎日毎日揺れるのだ。
ある日下宿のおばさんに、「さすがに東京は地震が多いですね」というと、「え、そうかしら」と言われた。 これだけ毎日揺れているのに気づかないとは鈍感だなあ、と思っていた。 後でわかったことだが、その下宿は古い木造建築だったため、人が歩くと揺れるのだった。 おばさんはそのことを知っていたので、もしかしたら皮肉を言われたと思ったのかもしれない。
とはいえ、さすがに関東地区は地震が多かった。 下宿にいる時は毎日揺れているのでわからないのだが、月一のペースで行っていた横須賀の親戚でも毎度のように揺れていた。 さすがに、横須賀での揺れは地震だとわかっているので、あまりいい気分はしなかった。
ところで、例の阪神大震災の時、ぼくは漠然とこれは人為的なものじゃないかと思っていた。 その少し前に、ある雑誌でソ連の人工地震の記事を読んでいたからだ。 ところがその後、オウムの事件が起きた時に、幹部の村井秀夫がそのことに触れたことがある。 「神戸の地震ですが、あれは人為的なものではないですか。地震爆弾か何かでやったと思うんですが」 他のコメンテーターは「そんなことはあり得ない」と反論していたが、案外彼は何か知っていたのかもしれない。 彼が殺されたのは、そのことをテレビで言ったすぐ後だった。 毎年1月17日になると、そのことを思い出す。 ぼくの中で、釈然としない歴史の一つである。
この間メキシコで地震があった。 東海地震もいつ起きても不思議ではないと言われている。 北朝鮮の脅威もさることながら、こちらのほうの対策も充分に立てておかなければならない。 その際、遷都の問題も出てくるだろうが、その時は福岡県を推薦します。 地震は少ないし、台風もそれほど多くはない、さかなもラーメンもおいしいし、ホントいいとこですばい。
|