頑張る40代!plus

2002年07月29日(月) 迷惑な話2

予備校で、ぼくがトイレから出てくると、前を同じクラスの女の子が歩いていた。
同じくトイレから出てきたようだ。
教室に戻るには階段を上らなくてはならない。
ところが、ふと彼女を見ると、スカートがめくれている。
それもミニスカートである。
同じ階段を上るわけだから、後ろを歩いているぼくは当然見えてしまう。
彼女が階段を上りだした時、ぼくは目のやり場に困った。
「どうしよう」
しかし、教えてやるほどの勇気はない。
かえって変態扱いされるのがおちだ。
中学時代の思い出がよみがえる。
見たら見たで、後でわかった時に何を言われるかわからない。
しかたなく、ぼくは下を向いて階段を上った。
後でぼくを見ていた男子から、「お前、いい思いしたのう」と言われた。
見てないっちゃ!

社会に出て、電車通勤をしていた頃の話。
電車はいつも満員だった。
痴漢と間違えられると嫌なので、ぼくはいつも両手で吊り革をつかんでいた。
ある日、えらく後ろから押されたことがあった。
両手は吊り革をつかんでいるため、押されるたびに吊り革にぶら下がって、爪先立ちの状態になる。
そのたびに、前に立っている女の人のお尻に、ぼくの下半身が当たるのだ。
最初は押されるほうばかりに気をとられて、前を押していることは気がつかなかった。
気がつくと、その女の人はぼくを睨んでいる。
どうして、前の女の人がぼくを睨むのかがわからなかったが、しばらくして、「あ、そうか!」と、やっと合点がいった。
単純にぼくと彼女の間の行為だけで捉えると、これははっきり言って痴漢行為である。
しかし、こちらとしてはそういうつもりは毛頭ない。
こちらも動きようがないのだ。
ぼくは心の中で、「そういう怖い顔で睨みなさんな。この状況で、どうしろというんだ。おれだって早くあんたのそばから離れたいわい!」と思っていた。
ある駅で人が減ったので、ぼくはすぐにその人のそばから離れた。

またまた中学時代に話は戻る。
ある日の昼休みのこと。
ぼくは急にトイレに行きたくなった。
教室を出て、廊下を小走りしてトイレに向かった。
その時、曲がり角で、同じクラスの女の子とぶつかりそうになった。
ぼくはとっさに手を出した。
その手が、なんと彼女の胸に触れたのだ。
『あらっ!』と思ったが、もはや漏れる寸前である。
ぼくは「ごめん」と言って、トイレに急いだ。
教室に帰ると、その女の子は何かニコニコした顔をしていた。
その後、ぼくはその子から、婉曲なラブレターをもらった。
だから、違うっちゃ。
勘違いやろ、カ・ン・チ・ガ・イ。

大体こんなところか。
若い頃は、よく勘違いされて迷惑したものである。
最近は勘違いされての迷惑話は少なくなったが、昨日の冒頭のような変な迷惑話が多くなった。
そういえば、今の会社に入った時、「あの人の目を見たらいけんよ」と教えられたことがある。
「あの人」とは、24,5歳の女性であった。
話を聞くと、その女性の目を見ると、「あの人、私のことが好きみたい」と人に触れまくるのだそうである。
こういう自意識過剰な人は、本当に困りものである。
この話を聞いていたので、ぼくはそういうことを言われずにすんだ。
入社して程ない頃、会社帰りに小倉に飲みに行ったことがある。
駅に向かう途中に、その子とばったり会ってしまった。
「今帰りですか」
「ああ」
「どこまで行くですか」
この子、若いくせに言葉がいやに年寄り臭い。
目を見ただけで恋愛なら、まともに話していたら大恋愛になってしまう。
ぼくは始終、そっけない返事を繰り返すばかりだった。
こういう人の存在も、迷惑と呼んでいいだろう。


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