| 2002年07月27日(土) |
芸能コースのある高校 |
今日ローカルの番組で、ある高校に芸能コースというのがあると言っていた。 いよいよ県民皆芸能人の本領発揮かと思い、興味深く見ていた。。 このクラスでは、毎週4,5時間を費やして、生徒に歌を歌わせたり、ダンスを踊らせたりしているのだ。 あの堀越学園にも芸能クラスというものはあるが、それは芸能人が行くクラスであって、別に芸能人を育成しているわけではない。 しかし、この学校は芸能人を育成しているのだ。 時間割の中に、現国や数学などと並んで、ギターとかダンスという科目が書かれてあるのが面白かった。 もしぼくが高校生なら、躊躇なくこの学校のこのクラスを選ぶだろう。 無能な人間を育てる普通科よりも、よっぽどやりがいがあるに違いない。
さて、その番組の中で担当の先生が、「この中にモノになりそうな人間が2,3人は確実にいる」と言っていた。 この先生は、「浜崎あゆみやMISIAや椎名林檎といったトップミュージシャン」をその学校から出す、という夢を持っているようだった。
ところでこの番組を見て疑問に思ったことがある。 それは、「この科目の試験はどういう問題が出るのだろうか」ということである。 もちろん実技はあるだろうが、筆記のほうはどうなっているのだろうか。 「福岡出身の有名人を5人書きなさい」とか、「メジャーとインディーズの違いは何か。50字以内で簡潔に書きなさい」などという問題は出るのかもしれない。 まさか、「この科目は不得手だ」と思う人間はいないだろう。 もしいるとしたら、それはスランプに陥っているか、自分の才能に眼界を感じたか、担当の教師が嫌いかのいずれかである。
もう一つの疑問は、この科目で単位を取れずに、留年する人間がいるのかどうかだ。 授業にまともに出ていれば、まず留年はないだろう。 「インディーズ」の意味がわからなくて、欠点をとる生徒は皆無に等しいと思う。 「君は‘F’のコードを押さえきらないから、来年もう一度やり直しなさい」 「君はマイクを持つ時、どうして小指を立てるのかね。前から何度も注意してるだろう。全然進歩が見えないじゃないか。留年だ」 などとやっているのだろうか。
さて、このコースを選んだ生徒たちの就職状況はどうなのだろうか。 先生もいろいろ大変だろう。 大学や専門学校に行く生徒以外は、もちろん就職するのだろうから、そういう生徒たちの面倒を見なければならない。 第一希望は、みな音楽事務所や芸能プロダクションであるはずだから、そういう関係に顔が利かなければならない。 ホリプロやサンミュージックなどに行って、 「今年は有能な子がいるので、よろしくお願いします」などとやっているのかもしれない。 『のど自慢』に出させる場合もあるかもしれない。 「鐘が3つ鳴らなければ、君の将来はない。もしそうなったら、君は芸能界をあきらめて、普通の就職をしなさい」」 晴れて鐘が3つ鳴った場合は、それを肩書きに就職活動を行っていくのだろう。
仕事の合間にチラッと見ただけなので、今まで書いたことはすべて憶測である。 しかし、ただ一つ確かなことがある。 そこにお笑い系がなかったことだ。 福岡からせっかくタモリという大物が出ているのだから、そういうコースも作ってもらいたいものである。 しかし、もしお笑い系のクラスが出来ても、授業中にほかの生徒を笑わせるようなことをしたら、先生から叱られるだろう。
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