スナックおのれ
毛。



 40代のお菓子。

 小学生の時のプールの授業。クラス一可愛い女の子が頬に鼻くそをつけながら、私に笑いかけた。なにも知らずに笑うその子から、私は目をそらした。思春期の時、じいさんの風呂上がり姿を目撃した。目が合った瞬間、目をそらした。20代初め、女子トイレの入り口で、すでにズボンを脱ぎ始めたオバさんから、目をそらした。そして、今日、私は40代のお菓子から目をそらした。
 その人は、そんなにもお菓子を持っていた。腕に抱え込んで、むさぼりくってた。打ち合わせしながら、おむすび型の米菓を、後生大事に抱え込んで食べていた。その場に居合わせた総勢6人が、いっきにお菓子から目をそらす。そもそもの間違いは、みんな「差し入れ?」と思っていたことにあるのかもしれない。だけれども、よもやまさか、そのお菓子を独り占め(しかもどん欲に)するとは思っていなかったのです。別にお菓子が食べたかったわけではないけれど、何やらそこには「まさか!?」という裏切り感と「見ちゃった」と言う自責の念、「こんなことが!?」という驚愕が混在していたことには違いなく・・・。時折、それでも、ボリボリいう歯が米菓を噛み砕く音がするたびに、みんなチラ見。だけれども、あんまり見すぎると、「やばいもの」を見たことがバレてしまうので、すぐに目をそらす。その繰り返し。
 一体なんだったのだ?あれは?思い出すたびに不思議。独り占めの様子もどん欲なる様も、おむすび型の米菓にして名菓「コメッコ」を40代が選ぶ理由も。
 さては、妖怪か!?神出鬼没の妖怪「めそらし」。出会うと、困る。

2004年08月02日(月)
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