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■ 人間嫌い。
人参嫌いは、どうにでもなるけれど、人間嫌いは始末が悪い。私は、この半年、人との接触を極力避け、自分のことばっかり考えていた。そんな気がする。 今日、会社の上司と始めて、わきあいあいと話をした。1月にアルバイトとして入社以来、こんなことは初めてで、日付が変わる頃に帰宅したけれど、なんだか充実感があった。私はもともと無口なタチではないし、人見知りもそんなにはしない。けれど、仕事場ではほとんど話をすることもなく、ただもくもくと仕事をこなしていた。生活をするために仕事をしていると割り切ろう、そういうふうに今の会社に勤め始めたときには、考えていた。しかし、そんなことは私には無理だった。すぐに無言でいることが苦痛になり、上司との関係も重苦しく感じ始めた。 現在、私の働く会社は良い会社ではないと思う。まだまだ社会経験のあさい私が言うのもなんだけれど、労働条件も労働環境も悪いし、社員同士の仲もあまり良くない。アルバイトが1ヶ月で辞めるのはあたりまえ、社員でさえ数週間でいなくなった例もある。けれど、そんな中で長く勤めつづけている人もいる。私の上司だ。彼女は毎朝9時に出勤し、夜は11時くらいまで会社にいる。40度の高熱を出しても休むことを許さない専務に、体調が悪すぎてうずくまっても「邪魔よ」くらいの対応をする会長の嫁がいようが、8年働いている。おそらく、これからも働きつづけるに違いないと私は確信している。その理由はなんだろうと、4ヶ月考えてきた。長くいすぎて、辞めにくい、そんなこともあるかもしれない。けれど、彼女には会社の仲間がいた。なんでも話せる会社の仲間たちが彼女をここに留めていると、わかった。もちろん、仲間に対して気に食わないこともあるだろう。けれど、それは家族や友人だって同じこと。どんなに親しくても気に食わない面はある。問題なのは、それをカバーできる良いところがあるかどうかということだ。 上司は人見知りをする。だから、私と4ヶ月同じ現場にいようが、ほとんど話し掛けてこなかった。私も相手の空気を読むクセを持っているので、それにあわせて対応してきた面がある。だから、私の職場には会話がなかった。けれど、私と上司が大きく違うところは人間嫌いかそうではないか、という点で、彼女が人間を好きなのに対して、私は、人間を好きになることを拒んでいた。 今日、結界は解かれた。彼女は私のいる職場に慣れ始め、私は彼女によって、自分が今まで人間嫌いをしていたことに気づいた。職場が楽しくなる予感がする。けれど、近々私はここを出て行くだろう。彼女のように強い人間になるために。
2003年05月15日(木)
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